chocoxinaのover140

良く言えばコラム

ペアーズのオリジナルルール「Twenty-five」

1が1枚、2が2枚……10が10枚のカードを使って、ギャンブル系を初めとした様々なゲームができるペアーズというカードゲーム
が先日発売されまして、そのルールデザインコンテスト
に向けて制作、応募したルールを公開します。




タイトル:Twenty-five
プレイ人数:3-4人 
必要なもの:ペアーズ1デッキ、得点記録用の筆記用具


0.導入

このゲームでは、全プレイヤーが持っているカードをすべて合わせたとき、
合計でいくつのペアがあるかが重要な要素になる。
ただし、ペアの数を数えるとき、同じ数字のカードが3枚以上ある場合は
その中で作りうる全てのペアをカウントする。
例えば、場に10のカードが合計5枚あった場合、それぞれのカードを仮にa,b,c,d,eと呼ぶと、 ab,ac,ad,ae,bc,bd,be,cd,ce,deの10通りの組み合わせが考えられるので、「10のペアが10組」と数える。
同種のカードの枚数とペアの数の対応は以下の通りである。


 2枚 -  1組
 3枚 -  3組
 4枚 -  6組
 5枚 - 10組
 6枚 - 15組
 7枚 - 21組
 8枚 - 28組
 9枚 - 36組
10枚 - 45組

(以上の表は、プレイヤー全員が確認できる状態にしておくことが望ましい)

このゲームでは、プレイヤーは手番ごとにカードを引く。
そのたびにゲーム中に使われるカードが増え、そのたびにペアの総数が増える。
限られた情報を頼りに、そのペアの数が25を超えたとき適切にパスができたなら、敗北を免れるだろう。
ただし、25を超えないうちにパスをしてしまうと、大きく敗北に近づくことになる。



1.準備


すべてのカードを裏向きでよく切ったあと、各プレイヤーに以下の内訳でカードを配る。
残ったカードを山札としてテーブル中央に置く。

3人プレイ:一人4枚
4人プレイ:一人3枚

各プレイヤーは、配られたカードを手札として持ち、そのうち、書かれた数字がもっとも大きいカードを一枚、
自分の前に表向きに置いて公開する。
このとき、手札に5のカードを持っている場合、代わりにそのカードを公開してもよい。
(例:手札が1,5,10である場合、5か10を公開できる)
以後こうして自分の前に公開されたカードを場札と呼ぶ。

年齢の最も若いプレイヤーをスタートプレイヤーとしてラウンドを開始する。



2.ラウンドの進行


スタートプレイヤーは、以下の操作を順番に行う。

(1)カードを引く
山札からカードを一枚引いて、手札に加える。

(2)カードを公開する
手札の中で最も数字の大きいカードを場札として公開する。
このときもまた、手札に5のカードを持っている場合、ラウンド開始前と同じように5のカードを公開してもよい。
なお、カードを公開して場札を追加するときは、公開された順番が分かるように並べること。

以上でスタートプレイヤーの手番は終了し、左隣のプレイヤーに手番が移る。
二番目以降のプレイヤーは、スタートプレイヤーと同じように「カードを引く」「カードを公開する」の操作を行うか、
代わりに「パス」を宣言することができる。


3.パス


直前のプレイヤーの手番が終了した段階で、ペアの数が25を超えたと判断した場合、
プレイヤーは手番の行動の代わりにパスを宣言することができる。
カードを引いてからパスを宣言することはできない。


パスが宣言された場合、すべてのプレイヤーはただちに手札を公開し、全員の場札とともに一箇所にまとめる。
その後すべてのカードを数字ごとに分けるなどしてペアの数を数える。

数えられたペアの数によって以下の通り得点の処理を行い、結果を記録する。


(1)ペアの数が25未満だった場合
パスを宣言したプレイヤーは10点を得る。


(2)ペアの数が25より多かった場合
パスを宣言された(最後にカードを引いた)プレイヤーは「ペアの数-25」点を得る。


(3)ペアの数がちょうど25だった場合
パスを宣言した以外のすべてのプレイヤーは10点を得る。



全員にカードが配られてから、パス宣言による得点までを1つのラウンドとする。
ラウンド終了後、その時表向きで公開されているカードすべてと残った山札(つまり、すべてのカード)をまとめて
裏向きのまま混ぜて新しい山札とし、カードを配って新しいラウンドを開始する。
新しいラウンドのスタートプレイヤーは、直前にパスを宣言したプレイヤーとする。




4.ゲームの終了


ラウンド終了時、得点が25を超えたプレイヤーがいる場合、ゲームは終了する。

最も得点の高いプレイヤーを敗者とし、プレイヤー間において適切な何らかの方法で敗者を罰する。
そのとき、法律、条例、TPO、敗者の健康状態や嫌がり様などには十分注意すること。



5.ヒント


・場に同じ種類のカードが一枚増えると、ペアの数は「それまでにあった同じカードの枚数」分だけ増える。
 (10のカードが5枚から6枚に増えた場合、ペアの数は10組から15組に、つまり5組増える)
 つまり、ラウンドが長引くと、1手番ごとにペアが増えるペースが上がることになる。
・ペアの数がちょうど25になる為に必要な最小のカード枚数は12枚、最大の枚数は27枚である。

創作ロールプレイングポエム:「あのひと」のご紹介

ロールプレイングポエムについては、こちらを参照して下さい
chocoxinaの理解では、ロールプレイングポエムとは「ルールにポエジーのあるごっこ遊び」なんじゃねえかなと思っています。

ロールプレイングポエム:「あのひと」

1.イントロダクション

学校の同窓会で十数年ぶり集まった仲のよい5人前後のプレイヤー達。
思い出話をするうち、話題は今日来なかった「あのひと」のことに移る。

2.導入

まず君たちは「あのひと」の名前を思い出そうとするが、どういうわけか皆思い出せない。
プレイヤーは、名前を思い出す手がかりに、各自思い思いに「あのひと」の性別や外見、口癖などの表面的な特徴を共有する。
ひととおり共有が済んだと判断されたとき、 プレイヤーの誰かが「誰も思い出せないの?」と言って、
「あのひと」と特に仲が良かったプレイヤーを適当に一人指定してからかう。
指摘されたプレイヤーが「そうなんだけど・・・」と言って考え込むと、
テーブルに料理が運ばれてくるなどして話が中断される。

2.準備

プレイヤーは、当時の「あのひと」との具体的なエピソードを、メモ用紙一枚につき一つ、3枚分書く。
(枚数は人数に応じて適当に調整する。またこのとき、メモの端にあなたの名前を書いておく)

「あのひと」は、君に借りた一万円を未だに返していないようなずぼらだっただろうか。
毎日のように君とお決まりの場所で遊んでいただろうか。
君が未だに覚えているような、面白いジョークを言っただろうか。
君たちの間で起きた大きな事件のとき、その中心にいただろうか。
家庭の事情について、君にだけ話してくれたことがあったろうか。
あるいは、君と恋仲で、クリスマスには特別な場所でデートをしただろうか。
もしくは、君は「あのひと」に手ひどいいじめを受けていたか、その逆だったろうか。

書くときの指標として、まず君との関係に関わる大きなエピソードを一つか二つ書いたら、
ゲーム外で君とそのような関係だった人物との些細な思い出で残りを埋めるといいだろう。

ストーリーテリングに自信のないプレイヤーがいる場合、ゲーム導入時にそのプレイヤーを
「あのひと」と特に仲が良かった友人として指定しておくと良い。指定されたプレイヤーは、
仲の良かった友人のことを思い出してメモ用紙を埋めよう。

全員が書き終わったら、各自「あのひと」の名前と思われるもの
(モデルにした誰かの名前や、単にあだ名でもよい)を それぞれ胸に秘めたあと、
すべてのメモを裏向きで一箇所に集める。よく混ぜた後で、その中から各自一枚引く。
このとき、自分の書いたメモを引いてしまったら裏向きで山に戻して新たに引く。
(以後メモを引くときは常に同様にする)


3.プレイ

「あのひと」と仲が良かったとされたプレイヤーは、手元にあるメモを書いたひとに、名前を思い出すよう話を振る。
メモの内容を聞いた話のように読み上げて「こんなことがあったなら名前も思い出せるだろう」と指摘してもいいし、
メモの中身によっては 適当に内容をぼかして、書いたプレイヤーに詳しい話をさせてもよい。
その後メモを公開して全員から見える場所に置き、
裏向きのメモの山から新たに一枚引く。
話を振られたプレイヤーは、必要に応じてその話題について補足したあと、それでも名前は思い出せないと言って、手元のメモについて同様の手順を行う。

ただし、手元のメモを処理する手番が回ってきたプレイヤーは、以下の場合に限り、
振られた話の補足を行った後で、手元のメモを公表せずに握りつぶす。
それに気づいたプレイヤーはその人に「どうかした?」と聞き、聞かれたプレイヤーは「何でもない」と言ってから
別のプレイヤー(後述の理由でメモを持っていないプレイヤーを除く)に適当に話を振る。

a.そこまでの話の流れから、メモを公表するのがはばかられたとき
 皆が「あのひと」のユーモラスさについて盛り上がっているときに、
 わざわざ「あのひと」に虐められていたプレイヤーに話を振るべきではない。

b.そのエピソードを、「あのひと」の一面として認められない、または認めたくないとき
 君と恋仲だったはずの「あのひと」が、別のプレイヤーを熱心に口説いていたことなど自慢させる必要はないし、
 憎むべき「あのひと」が子犬を助けたエピソードなど誰にも聞かせる必要はない。


手番におけるあなたの行動を簡潔にまとめると以下の通りである。

1.前手番のプレイヤーがあなたの書いたエピソードに言及していたなら、必要に応じてその補足をする。その後、それでも「あのひと」の名前は思い出せないと言う。

2-1.あなたの持っているメモを公表するなら、それを会話の流れで読み上げるなどする。
2-2.メモを公表しないなら、それを握りつぶす。

3.メモを読んだならそれを書いたプレイヤーに、メモを握り潰したなら適当なプレイヤーに話を振って、手番を渡す。握り潰していないメモは公開し、メモを新たに一枚引く。


以上の手順を繰り返すうち、山からメモがなくなった場合、または山の中に自分のメモしかないことが明らかになった場合は
それ以上メモを引かず、話を振られたら「私はもういいでしょう」と言って、 メモを持つプレイヤーに話を振るようにする。


4.終了

すべてのメモが公開されるか握りつぶされたとき、すべてのプレイヤーは公開されたメモを参照して
「あのひと」がどんなだったか自由に語り合う。
公開されたメモの内訳に応じて、ゲームは以下のとおり終了する。
ゲーム終了後、握りつぶされたメモは厳重に処分する。

・公開されたメモの一番少ないプレイヤーが一人に定まるとき
 「あのひと」についての話が盛り上がってきたところで、そのプレイヤーは全員の話を遮り
 「誰も本当の『あのひと』を知らないんだね」と言う。
 そのプレイヤーが胸に秘めた名前が「あのひと」の本当の名前である。

・すべてのメモが公開されているとき
 「あのひと」と一番仲の良かった友人に設定されていたプレイヤーが「思い出した!」と言う。
 そのプレイヤーはきっと、名前をあえて内緒にして皆の反応を楽しむだろう。

・公開されたメモの一番少ないプレイヤーが複数人いるとき
 その複数人で席を外し、読まれなかったエピソードについて語り合う。
 「あのひと」の名前は結局思い出せないが、仮に席を外した全員が、
 一番「あのひと」と関わりがあったのが誰かについてはっきりと同意できるなら、
 きっとそのプレイヤーが思い出している。

・公開されたメモの一番少ないプレイヤーの数が、全体の過半数に及ぶとき
 誰かが指揮をとって、全員で「あのひと」の名前と思われるものを一斉に言う。
 こんなにも意見の食い違う「あのひと」は、本当に存在したのだろうか?

ギガヘボコンに出てきた話

 
このところ不運続きだ。
 
カバンは盗まれるしiPhone6は壊すし女の子には振られるし友人との約束は二連続ですっぽかされるし予定していた引っ越しは先方都合で三カ月遅れて最終的に反故になるしでまるでいいことがない。
 
こんなに不幸が続くなら、もう幸も不幸も何もわからない阿呆になりたい、と思っていたら、ちょうど知る限りトップクラスに阿呆なイベントが参加者を募集していたので出場してきた。ヘボが集まってロボット相撲をするイベントだ。
 
ヘボコンとは
題にあるギガヘボコン、昨年秋ごろから何度か開催されている「ヘボコン」の仲間なのだが、そのヘボコンとは何か、というのは僕が説明するよりもこの動画を見てもらった方が早い。


技術力の低い人 限定ロボコン(通称:ヘボコン) 紹介動画 【第18回文化庁メディア芸術祭 エンタ ...

要は「技術力の低い人限定ロボコン」であり「その場ではヘボさこそが正義」であり「妥協と諦め」がモノをいい「ヘボを誇り、それを容認する空気が満ちている」あたたかなイベントである。僕のような無能にとってはさながら東京砂漠に見つけたオアシスだ。
 
かねてからぜひ出たいと思っていたヘボコン、twitterで開催告知を見つけ、先着順だったそれに一も二もなく申し込んだのが三月末ごろ。ほどなく当選を知らせるメールが来て、chocoxinaのロボット作りが始まった。
 
よしやるぞ、やるからには勝つぞ、阿呆になることに打ち込んで嫌なことを忘れるぞ。結論から言えばこの二つの目標はどちらも達せられなかった。
 
敗者のゲーム
さて、勝つぞ、と目標をかかげてはみたが、一体何をどうしたものか。今回のヘボコンはギガヘボコン。[http://portal.nifty.com/kiji/150322193037_1.htm:title] 全長100cm、高さ50cmの大型ロボット(開催直前の主催石川さんの言葉を借りれば「大味な塊」)を作る必要がある上、なんとパイロット搭乗可だ。
 
パイロットが乗らないより乗った方が馬力があるに決まっているがchocoxinaにはそのための丈夫さやトルクのあるものを買う財力はない。なんたって先日財布もろとも鞄を盗まれている。
・・・いきなり嫌なことを思い出したが、ともかくもこういうときは先人の知恵を借りる必要がある。今回はチャールズ氏を仰ごう。
 
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個人投資家に最も読まれている指南書の著者であるところのチャールズ・エリス氏によれば、例えばテニスの試合は二種類に分けられるという。プロが互いの技術で「勝ちとった」ポイントで勝負が決まる「勝者のゲーム」と、アマチュアがミスを犯して「失った」ポイントで勝負が決まる「敗者のゲーム」だ。(なおこのへんの話はほぼ全部ライフハッカーの記事「敗者のゲーム」を避ける知恵:賢く立ち回ろうとするより愚かな行いを避けるべし | ライフハッカー[日本版]の受け売りです)
 
勝者のゲームと敗者のゲームでは取るべき戦略が決定的に異なるといい、またヘボコンは言うまでもなく敗者のゲームだ。チャールズ氏によれば、敗者のゲームに勝つには、どんな戦略よりも「ミスを少なくすること」を重視すべきだという。
 
なるほど、ミスを少なくする。ここでchocoxinaはほぼ勝利を確信した。
 
そうだ、人が乗るロボットだって勝手に自壊したり、コントロールを失って場外に出るかもしれない。堅実に動くロボットを作れば勝機があるぞ。
 
成果物
そんなわけで、完成したロボットをご覧いただきたい。
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 ・・・なんだろう。「堅実に動く」かどうかもあやしい、チャールズ氏に訴えられそうな大味な塊ができてしまった。
 
とりあえず、この画像を見ながら各所の工夫(したんですよ、工夫)とか妥協とかについて説明させてください。
 
まず動力はワイルドミニ四駆を二台並べている。これは一般的なミニ四駆と違いオフロードカー的なものをモチーフにしたラインで、同じ規格のモーターを使っている一般的なミニ四駆と比べスピードがかなり遅い。
 
スピードが遅いということはその分の力がトルク(動きの力強さ)にまわっているということであり、事実ワイルドミニ四駆は単体で40度の坂を登ったりできるそうだ。そもそもスピードが遅ければ暴発して勝手に場外に出ることも少ないため、ヘボコンに使うなら普通のミニ四駆より断然こちらが適格だといえる。
 
また、動力にミニ四駆を使う場合、通常であれば左右への旋回は諦めなければならないが、その点については(画像ではわかりにくいものの)それぞれのミニ四駆の辺りに手綱をつけることで解決した。曲がりたい方の手綱を引っ張って強引に旋回させる仕組みだ。ありもしない技術で無理にステアリングを実装するよりよほどチャールズ的だといえよう。あときっとチャールズはこんな言い訳のために本を書いたのではないと思う。
 
そもそも動力とステアリングについては、どこかでラジコンを買ってきてそのまま使うつもりだったのだが、某ディスカウントストアで買ったラジコンがどうにも不良品で、10秒も動かすと集積回路が熱をもってコントロールを受け付けなくなってしまう代物だったので泣く泣く捨てた経緯がある。
 
いや、本当に不良品だったのだ。電源から並列で出てた電飾の回路を手でちぎるまでは普通に動いてたけど。
 
100歩譲って不良品でなかったにしても、壊したのではなく壊れたのだ。あの夜、ガードレールに座って弄っていたら自転車に跳ね飛ばされた僕のiPhoneとおなじ、不幸な事故だったのだ。・・・なんだか、不幸を忘れる為に参加したヘボコンに、その不幸を思い出させられ続けている気がする。
 
設定にこだわる
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別アングル。

 
本体にあたる丸い部分はバランスボールでできている。レギュレーションを満たして順当に動くロボットを作るだけならば動力に段ボールでも被せておけばいいものを、なぜ余計に1000円出してバランスボールなど買ったかといえば、ひとえに設定のためである。
 
さすがに、観客もニコ生の視聴者もいるイベントで「相手のミスを待って勝ちます」ではあまりにも寒すぎる。そこで「攻撃ではなく防御にこだわった」と言い張ることで、設定だけはやたらと凝りがちなヘボコンらしさを出そうとしたのだ。
 
設定にこだわるという意味では、前面に貼ってあるアルミホイルは「鏡面仕上げで相手のレーザー攻撃を跳ね返す」という設定、頭についている消臭スプレーは「細菌兵器を打ち消す」という設定を設け、防御へのこだわりを強調するために付けてある。あまりにも露骨にウケ狙いっぽくなってしまったので(ウケ狙いなんだけど)本番で説明するときにひやひやしました。
 
こんな感じで一通り組み立てていたのだが、最後にバランスボールを動力部(金網にミニ四駆を縛り付けたもの)に乗せる段階になって「バランスボールを土台から微妙にはみ出させておけば、相手の攻撃を受けてたわんだ時にブレーキになり、より防御力が増すのでは?」と考えて、そのような改造を加えた。おざなりに考えた設定に本人がまんまと飲まれている。
 
そんな感じでどうにか前日夜にロボットを作り上げ、いよいよ本番となります。
 
後ろの棒? あれはサイズ稼ぎ。
 
名前
ところで、このロボットの名前をまだ紹介していなかった。「機能美」という。「機能の美しさ」と書いて「機能美」だ。皆さんの仰りたいことはよぉく分かるが、これについても言い訳させてほしい。
 
先のロボット、勝利にこだわるあまり(あれでもこだわっている)、見た目やそのコンセプトにまったく気を回していなかったので、事前アンケートでロボット名を書く必要が出てきたときに「見た目にこだわっていないということは、必要な機能がむき出しになっている→これは機能美に満ちていると言えるのでは?」という発想で咄嗟に付けたのだ。
 
しかし、考えてみてほしい。そんじょそこらのロボコンとは違い、ヘボコンに求められているのは「ヘボさ」である。余計な装飾で誤魔化すことなく(リセッシュは飾りではなく機能!)ヘボが全面に押し出されたあのロボットは、ヘボコン的機能美を追求しているといえないだろうか?
 
chocoxinaはそう言えると考えた(自分を騙した)ので、完成したロボットに機能美を象徴するマークを付けた。
 
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機能美といえば林檎のマークだ。なぜかはわからないが。
 
当日
そして本番である。
 
会場全体の様子や個々のおもしろロボットについては、近くデイリーポータルZに掲載されるであろう公式レポート記事を待つとして、ここではchocoxina視点での記録に留めたい。
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「どうもー参加者登録してたchocoxinaと申します」「チョコザイナ!? ヤバイっすね!」「あ、はぁい」みたいなやりとりを経て会場入りし、自前の「機能美」を組み立てていると、どうも周りには友人同士やサークルでの和気あいあいとした参加が目立つ。身一つ(と大味な塊)で参加していた自分は心細さに身構えてしまった。
そういえば、最近友人にも女性にもそっぽを向かれたばかりだなあ・・・といらぬことを思い出し、前が見えなくなりながらも組み立てを終える。
ひと段落ついたところで辺りを見回してみると
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なんだろうこのゴミの山は。
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(そして当てつけのように近くに設けられた技術力の高いロボットたちのブースは)
 
ちなみに一枚目の写真、手前の何かが入ってそうな段ボールとか、奥にある誰かの洗濯物とか、画面内にあるものほぼ全てロボットである。
まずいぞ、僕の機能美が完全にインパクト負けして埋もれてしまう。僕だって少しはフィーチャーされたいのだ。
と、ここで焦ったchocoxinaが三時間しか寝てない頭を働かせて回避策を考えた結果、ロボット紹介や試合前などの喋れるタイミングで露骨にウケを取りにいくという失策を取るわけだが、その醜態については各自ニコ生のタイムシフト(プレミアム会員なら今からでも視聴できるみたいです)や、近くデイリーポータルZのレポートに合わせてアップされるであろう公式動画などをご覧いただきたい。

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端的にこうなりました

 
試合の様子
気を取り直して一回戦。相手は「白いのスーパーレジェーラ」

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 某ベイがマックスなあいつ的な見た目と、操縦者の肺に依存する空気圧パンチ機構を備えたロボットである。ビームも撃ってこないし細菌兵器も使ってこない。試合の行方はあの空気圧パンチをいかに吸収できるかにかかっている。(そしてchocoxinaは完全に設定に飲まれている)
 
試合はじめ!

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機能美が動かない!

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危ない!

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でも押し返して・・・

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勝った!!!
 
なんと普通に相撲で勝ってしまった。
相手を押し返したときの「おおー!」という歓声が普通に嬉しかったです。
 
第2試合
続いての相手は「ねこ」

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人が乗ってるでかい箱である。
完全に馬力で負けているが、相手は視界が狭く、うまく操縦すれば後ろから押してしまえるかも知れないし、何よりも猫なのでリセッシュに弱いはずだ。勝機はあるぞ。
 
試合はじめ!

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機能美が動かない!

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動かない!

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食らえ、リセッシュ!

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時間切れ、判定負け!
 
全く動けずに負けてしまった。
 
反省
敗因は、動力のワイルドミニ四駆が、前に出すぎたバランスボールの摩擦につんのめってしまったことだった。前日夜に「防御力アップ!」とか言って余計な改造を加えたのが完全に裏目に出た。設定に飲まれ、チャールズ・エリス氏の教えを蔑ろにしたために、敗者のゲームを演じてしまったのだ。
 
「そのくらい動作テストをしていなかったのか」というお声があるのも尤もだ。ただ僕は現在、引っ越しに失敗した影響で祖父母の家に転がり込んでいる。家主の寝静まった深夜、こんなわけのわからない塊を動かして大きな音を立てるわけに行かなかったのだ。
引っ越しのとき、予定までに部屋を明け渡さなかった大家や、僕の焦りにつけ込んで契約直前におかしな費用をふっかけてきた不動産屋、どちらか片方でもいなければ・・・
 
と、気を取り直して、勝利した第1試合に目を向けてみると、序盤全く動かなかった機体が、敵機の腕によってバランスボールを押し上げられた結果動き出していたのに気づいた。ヘボが生んだ逆転劇だったのである。
戦績は二回戦敗退、審査員賞も得られず、他の様々なロボットの影に埋もれてしまった「機能美」だが、あの小さな一勝は確かに僕の胸に刻まれた。
 
気は晴れた
本来は嫌なことを忘れる為に参加した筈のギガヘボコン、途中様々なフラッシュバックが生じてその目的は果たせなかったが、本気で馬鹿をやった結果多少気が晴れた。次があればもっと本気で阿呆になってみたい。
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さよなら、ゴミ達。