高収入ミュージック・シーン雑感 Tokyo2016下半期

高収入ミュージックとは

繁華街を歩いていると、どこからともなくダンサブルな音楽が大音量で流れてきて、自然と身体でリズムをとってしまった経験はないだろうか。

それはときに、女性向け高収入求人サイトの広告トラックが流すものであったり、さまざまな店の店頭で流れているものだったりする。

今回はそんな音楽たちを「高収入ミュージック」と名付け、代表的なナンバー(タイトルに反してリリース年月日を限定しない)を紹介していきたい。

きっと誰しも、ほとんどの曲を耳にしたことがあるだろう。


Vanilla


【中毒注意】求人情報サイト バニラ 【テーマソング】

 


求人バニラの宣伝トラックから流れるBGMが歌詞が変わって新曲になった?


高収入ミュージックを語るうえで、外すことができないのがこのナンバーである。
東京、大阪、名古屋――昼間の繁華街を歩いたことのある人なら、誰しもこのトラック※1

「バーニラ♪バニラ♪バーニラ求人♪」

というフレーズを耳にしたことがあるはずだ。
飲み会のコールのようにサイトの名前を連呼する華やかな女性ボーカルと、アッパーなテンポの四つ打ち※2
そのすべてがリスナーのテンションを否応なくアゲにかかり、広告トラックの周りは一瞬にしてチャラ箱※3と化す。
またこの楽曲は、年を経るごとに歌詞やアレンジが少しずつアップデートされているらしい。
現在の地位にあぐらをかかない、王者の貪欲な挑戦心が垣間見える。

 

※1:楽曲の意。「ナンバー」との使い分けはほぼニュアンスである。

※2:バスドラムが一定のリズム(1小節に四つ)で鳴るタイプの音楽や、そのリズムのこと。

※3:クラブ(ディスコ的な店)のうち、かかる曲や客層がチャラい場所のこと。

 

まるきゅーも


まるきゅ~も@歌舞伎町


Vanillaと並んで高収入ミュージック界を代表するトラックがこのまるきゅ~もだろう。
数年前は、後で紹介するmanbooのようなサンバ的な雰囲気のオリジナル楽曲を使用していたまるきゅ~もだが、近年はこの動画のようにクシコス・ポストの替え歌を使用している。
運動会でおなじみの軽快な楽曲をさらに高速にアレンジしたこのチューン※1は、Vanillaとは違ったベクトルでリスナーをアゲることに成功している。
都会の喧騒を速足で駆け抜けるうちに、いつしかその足取りがリズムに乗ってしまうような魅力を持ったナンバーだ。


また、まるきゅ~もといえば、広告トラックや看板で「ジャケ」を上下逆に設置する独特のスタイルが印象的だ。
道行く人がみな「あれはなんだ?」と思い、ある人はシェアし、またある人はGoogle検索する。
プロデューサーの抜かりない広告戦略が光る。

 

※1:楽曲の意。少なくともchocoxinaは完全にニュアンスで使い分けている。

 

15navi

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※こちらの楽曲はぜひ現場で体感してほしい(いい動画が見つからなかったので)


近頃高収入ミュージック界で存在感を増しているのが15naviだ。

「いっちごっなっびっ♪(バイバイトっ♪)」
と、過去に例のない程露骨にフェミニンに寄せた歌声と、これまでのアッパーなトラックたちとはかけ離れたポップな曲調。
この「かわいらしくもアガらない」曲は、これまでの高収入ミュージックとは違うリスナーにリーチしただけでなく、彼らの主戦場であるストリートにおいて我々の思いもよらない効果を発揮する。


これまでの「アガる」高収入ミュージックたちは、曲のビート感を重視するため、楽曲の多くの部分が「低音」で構成されるのだが、低音というのはほかの音にかき消されやすい。
一方15naviの曲はその多くの要素が「人間の声」に近い周波数で構成されており、都会の喧騒の中では抜群の聞き取りやすさと、それによる音量感をもたらす。
町中で15naviのトラックを見かけた際には、ぜひそのサウンドの圧を感じてほしい。
あの広告トラックが通るたび、オーディエンスの耳はジャックされ、世界はイチゴ色に染まる。
15naviは間違いなく今後のシーンをけん引する存在となるだろう。

 

 

manboo


マンガ喫茶「マンボー」の歌


さて、ここからは求人サイト以外のアーティストによるトラック、通称「店舗系」のナンバーを紹介していく。
女性専用マンガ喫茶という特殊な業態を広告するために作られたこのナンバーは、店舗系に共通する特徴として
「求人系」と比較してよりメッセージフルでボリューミーな歌詞をもつ。
「楽しさも抜群♪居心地も抜群♪日本一マンガ喫茶♪女性専用マンガ喫茶♪」
リズムに合わせて口ずさむうち、男性である筆者が今後入ることのないmanbooについて、自然と好印象が刷り込まれていく。
ところで、このmanboo、実は今回紹介する高収入ミュージックの中ではトップクラスのクラシックにあたる。
サンバを彷彿とさせる軽快なリズムに、シンプルな展開、そして底抜けに明るい女性ボーカル。
高収入ミュージックの基本ここにありといった佇まいで、その軽やかな曲調に反し、どっしりとシーンに腰を据える。

 

 

ロボットレストラン


Outside Robot Restaurant in Shinjuku


東京、特に新宿の高収入ミュージックシーンにおいて無視できない存在感を示すロボットレストラン。
巨大ロボットと職業ダンサーが織りなすド派手なパフォーマンスがみられる唯一無二のレストランであるが、そのトラックも相当に個性的だ。
まず印象的なのはトランシーなキック※1とパーカッションが絡み合った複雑なリズム。
曲中にはmanbooを彷彿とさせるメッセージフルなコールのパートもあるが、いわゆるサビにあたる部分はボーカルのトーンがぐっと抑えられ、他の高収入ミュージックと比べて圧倒的にクールな印象を受ける。


また、彼らの路上ギグ※2で見逃せないのは、何よりトラックにけん引された巨大なロボットである。
あれを一目見れば、誰しも「歌舞伎町に何やらヤバいレストランがあるらしい」と強烈に印象付けられる。
すでに新宿の新名物として定着した感のあるロボットレストラン。そのクールなトラックは、高収入ミュージック界のニューウェイブとなるか。

 

※1:バスドラムの意。キックって言ったほうがなんだかかっこいい。

※2:ライブの意。ここでは広告トラックの巡行を指す。そもそもギグって死語らしいですよ?

 


どりーみんパスポート(めいどりーみん)


めいどりーみん 公式ユニット QSCS (くすくす) どりーみんパスポート 【歌詞付 Version】


東京は秋葉原の高収入ミュージックシーンにおいて支配的な再生数を誇るどりーみんパスポート。
これまでに紹介した高収入ミュージックたちとは違い、明確に「男性」をターゲットにしているためか、こちらもなかなか個性的なナンバーに仕上がっている。
そのトラックは、秋葉原のミュージックカルチャーにおいて特徴的な「電波ソング※1」を踏襲したものだ。
高速四つ打ちに疾走感あふれるシンセサイザー、キュートな声のボーカルに、AメロBメロサビというポップス的展開。
特にBメロは俗にPPPH※1と呼ばれる、アイドルソングに特有の「サビ前のタメ」を意識した展開になっている。
日本人の好みに的確にリーチしたご機嫌なチューンは、秋葉原という街の雰囲気を定義づけているといって過言ではないだろう。


また、めいどりーみんといえば、楽曲に合わせて店頭の客引きメイドが軽快にステップを踏む「超条例的パフォーマンス」も見逃せない。
個性的な街の個性的なトラック。高収入ミュージックシーンの幅広さを象徴するような楽曲だ。

 

※1:この辺の用語の定義や用法については、間違ったことを言っているとインターネット的に怖い目に遭うので、薄目で流し見てください。

 

 

ぼったくりイヤイヤ音頭(嘉門達夫 feat新宿区)


嘉門達夫 ぼったくりイヤイヤ音頭 東京青年会議所 新宿区委員会


最後に紹介するこのナンバーは、高収入ミュージックそのものではなく、高収入ミュージックのカウンターストリームとでもいうべき流れに属する。
この記事の序盤に紹介した「求人系」のナンバーが広告する求人サイトは、主に風俗店の求人を多く載せているわけだが、そういった風俗店の一部が行う客引き、キャッチへの注意喚起を行うためのナンバーがこの「ぼったくりイヤイヤ音頭」である。
「客引きキャッチは絶対に♪ついて言っちゃだめよ♪」
否応なく耳になじむ音頭調の旋律に、嘉門達夫の親しみやすい歌声。ほかの高収入ミュージックとはいささか敵対的な出自を持つナンバーであるが、この曲もまたほかの高収入ミュージックと同じように、普段の街歩きにちょっとした彩りを与えてくれる。
音楽的側面に着目しても、曲調こそほかのどの高収入ミュージックとも異なる「音頭」調であるが、音頭というのはそもそも日本人のソウルに深く根差したダンスミュージックであり、そういった意味では他のアッパーな高収入ミュージックたちと共通したソウルを持つといえる。
音楽に貴賤なし。それぞれの背景を乗り越え、ほかのアーティストたちと手を取り合ってシーンを盛り上げてくれる未来に期待したい。

 

 

最後に

いかがだっただろうか。それぞれがリスナーの耳に残るように工夫され、実際に一度聴いたらなかなか忘れられない魅力を持ちながら、路上での広告という性質上なかなか顧みられることのなかった高収入ミュージック。

リスナーの皆様も、街を歩いていて高収入ミュージックの旋律に気づいたときは、ぜひ少しだけ耳を傾けていただき、youtubeの録音ではわからない、パワフルな低音の響きや、楽曲全体からみなぎるテンションなどを感じてほしい。

あと、業界の偉い人はchocoxinaに生の音声データを売ってほしいです。

無料の牛丼に並ぶのは、本当にコスパが悪いのか?

 

昨年末は、ソフトバンクが「SUPER FRIDAY」と称して、毎週金曜日に牛丼やドーナツやアイスクリームが無料になるクーポンを配っていて、対象店舗ではしばしば長い行列ができていたらしい。

 

で、ニュースでそういった行列が話題になるたびに出てくるのが

SoftBankの無料牛丼に並ぶたくさんの人たちと我々の違いについて | More Access! More Fun!

こういう「並んでまで○○するのはコスパが悪い」的なまったくの正論を述べるブログであり、それを見るたびにchocoxinaはこう思うわけだ。

 

なんかしゃらくせえな。

 

と。

以下はその「なんかしゃらくせえ」を、いかにまっとうな主張っぽく表出させるか、という試みであり、言い換えれば「ああいったブログを見続けることでchocoxinaの心の中に産まれた『仮想のしゃらくせえ奴』との喧嘩」である。

よってどうか、上で挙げたブログのライターさんや「行列には頑として並ばない、コスト意識の高いひと達」も、気を悪くせずご笑納頂きたい。

 

 

 

 0.序

さて、行列とコスト意識に関する議論というのは、簡潔には「並んだ時間と得られた利益の費用対効果」に関する議論だと言い換えられる。

つまり、二時間並んでタダで牛丼を食う行為に対する批判というのは

「120分を支払って380円の利益を享受するのでは、費用と効果が割に合わない」

という主張だといえる。

(人によっては「並んでいる奴らはそこに気づいていないので愚かだ」くらいのことを言ったりするわけだが、そうやって利害関係のない他人を非難することは明らかに非合理的である。そういった非難の是非は今回のコスパに関する考察で取り上げるに値しないので、今後は触れないこととする)

 

この主張について、当エントリでは

「得られた利益は本当に380円相当だろうか?」

「消費した費用は本当に丸々2時間相当だろうか?」

「『2時間払って380円』は、本当に割に合わないのか?」

の三点から掘り下げを試みる。

 

 

 

1.「得られた利益は本当に380円相当だろうか?」

この点に関して異を唱えることは容易い。価値というのは極めて主観的なものだからだ。

 

chocoxina個人を例に挙げると、さすがに無料の牛丼のために2時間並ぶことはないが、10月1日、すなわち天下一品の日にラーメン無料券を得るためであれば、2時間は平気で並ぶ。

天下一品でchocoxinaが2時間並んで得ている利益を箇条書きすると、以下のようになるだろう。

 

・この日に向けてバッチリ備えた店員のテキパキとしたオペレーションや、満席の店内から感じられる活気

・あの油のカタマリみたいなスープを短期間に二度食うことへの精神的なエクスキューズ

天一の日キャンペーンの実質的な効用「ラーメン二食半額」が「一食食うと一食無料」に置き換えられていることによる余分のお得感

・数年に一度当たる謎のアメニティ

・(ありきたりな言い方で読者の目が滑ることを危惧するが)お祭り感

 

特に「天一を月に二度食う理由ができる」価値については筆舌に尽くしがたい。

chocoxinaは「丸一日野菜を食っていないことに気づいたら、野菜ジュースでも何でも摂らないと落ち着かない」という程度に偏った健康意識があるのだが、10月1日に「だってタダ券貰えるし」と言って天一を食い、「だってタダ券の期限あるし」といってまた食うその時は、健康の呪縛から自由でいられる。

深夜に食うカップ麺が普段よりはるかに美味であるように「月に二度目の天一」もまた大いに美味であり、天一の日はそのための背中を押してくれるのだ。

 

だいぶ脱線したが、ともかくものごとの価値というのは「380円で売っているから380円分」と客観的に規定できるものではないということだ。

「苦労して並んでタダで食ってやった牛丼」に価格の何倍もの価値を感じる人がいることは想像に難くないし、それに対してさもしいだとか非合理的だとか言う権利は誰にもあるまい。

実家に帰省しておかんが作ってくれた手料理や、気の置けない友人と食べるピザ。我々は常にそういった、主観的にしか価値のないものをありがたがりながら生きているのだ。

同様に、「俺は牛丼並盛りに大した価値を感じない」という価値観も否定されるべきではない。こんなことは言うだけ野暮であるが、念のため付記する次第である。

 

 

 

2.「消費した費用は本当に丸々2時間相当だろうか?」

体裁上項目を分けたが、ここで言うべきことはそう多くない。

 

スマホタブレットが普及した現代、「ただ並んで2時間消費する」人間などいないのだから、「行列に並ぶコスト」はもっと低く見積もられるべきだ。

「行列に並ぶことは非効率」だと訴える仮想敵たちが「並ぶための時間で他にすべきこと」として挙げがちな、仕事のための情報収集やアイデア出しやある種の実作業。また、それらと比肩して人生にとって重要なゲームなどの娯楽。

そういったものの大半は今や「並びながらできる作業」であって、普段それらの作業のために割いている時間を「作業しながら並ぶ」時間にできたなら、並んだことによって得られる利益は丸々得になるはずだ。

 

「並びながら作業することによる効率の低下」を考慮するにしても、差し引き支払われるコストが「2時間ただ並ぶだけ」に遠く及ばないことは明らかだろう。

※当然ここでも前段の「主観的な価値」の話を適用しうる。「俺はとにかく並ぶという行為が大っ嫌いなんだ」という人にとっては、たとえ何かをしながらでも「二時間並ぶこと」のコストは甚大なものになるだろう。ただし、そういった主張は(ここで為されるほかのあらゆる主張と同じように)あくまで主観に基づいている、ということを自覚する必要があるだろう。

 

 

 

3.「『2時間払って380円』は、本当に割に合わないのか?」

ここまでで十分「『行列に並んでタダで牛丼を食うこと』をコスパの観点から批判するのは筋が悪い」ということは主張できていると思うのだが、せっかくなので続ける。

 

「行列に並ぶことは非効率」だと訴える仮想敵たちがその非効率性を訴える喩え話として、以下のようなものがある。

"

2時間並んで380円の牛丼を得ることは、時給190円の仕事をしたことに等しい。君が普段時給2000円相当で仕事をしているとしたら、その差額分損をしているのだ

"

この一件美しい理論の穴は「普通の人間は、絶えず価値を生み出し続けることはできない」という事実を無視している点だ。

 

どういうことか分からないならば、自問してみればよい。

「今月、自分が倍の時間働いたら、倍の収入が得られるか?」

 

世の中には「それ」ができる人もいるだろうからあえて断言しないが、一般よりやや体力やスキルに自信のない成人男性の実感として言えば、答えはNOだ。

「未来により多く稼ぐためのスキルアップの時間」をとって、見込み増収を時給に換算すれば実質稼いでいるようなものだ、という意見もあろうが、それだって、計算の方法によれども「現在の時給とまったく同じ価値」とはいくまい。人間の時間の価値、もとい「時間と金の変換効率」はもとより非線形なのであって、見込み増収だとかなんとか言って無理やり線形に近似してはかえって理解を損なうだろう。

 

さて、こうして「時間:金変換効率の非線形性」を前提とした上で

「『本来そう多くは稼げない時間だった2時間を、行列に並ぶことで380円に変換できる』ことは果たして言うほど非効率的だろうか。例えるなら、カステラの端を格安でまとめ売りするような利益の創出とはいえないだろうか」

というのがこの段の主張である。24時間働けるタイプの人たちからの批判が怖いのでここは極力さらりと済ませてまとめに入ろう。

 

4.まとめ

以上、こうしてchocoxinaは仮想敵に対して「行列に並ぶことをコスパの観点から批判するスジの悪さ」をありったけの理屈でもって主張した。

 

この記事の執筆にかかった時間は2時間。得られた価値はゼロ。書いてるあいだラーメン二郎にでも並んでおくべきだった、というのが今回の結論である。

【フードチェーンマグネイト】戦略・戦術覚え書き

はじめに

アナログゲーム「フードチェーンマグネイト」の戦略記事っていうか覚書です。以下ご留意の上お役立てください。

・基本的なルールとカード名、あと「初手はトレーナーかリクルーターが強いよね」「100$のマイルストーン強いよね」くらいの認識を前提としています。

・誰かがラジオを打ち始めたら中盤、値下げ競争が起きたら終盤、くらいの認識で書いたつもりですが、いかんせん思いついた先から書いているのでブレます。第一ゲームがそう進まない可能性もあるし。

・本人が書いてるうちの3割も意識できてません。

・そもそもあんまりプレイできてない。

・ガチ勢のツッコミ待ちです。

・未プレイの方はこの記事を見て「なんか難しそうなゲームだな」と思わず一度プレイしてみてください。初プレイでも、序盤躓かなければプレイヤー間の相互作用でピタゴラスイッチ的に勝てたりするし楽しいよ。一緒にやろう。おじさんが丁寧に教えるよ。

 

 

初期配置

ゲームが始まって以降のインタラクションが強烈なゲームなので、この部分の選択がゲームにどういう影響を及ぼしたかを後から量りづらいのだが、個人的に気をつけていることを。

 

・大筋として、家>他プレイヤー>飲料、の順で重視する。

 

・「自分の店が最も近くなる」家が必ず一件以上あるようにする。距離0だとなおよい。

 

・配置の順番が序盤(=第一ターンの手番が後)の場合、グルが取れない可能性があることを意識する。

 

・郵便受けの効果範囲を考慮する(配置によっては序盤の展開に大きく影響するため)

 

・その他の要素が許すなら、マップタイルの境目をまたぐように店を置く(ドライブスルー発動時に有利になるため)

 

・「ボード上の供給が少ない飲料」を重視して配置を考える場合、他プレイヤーから遠くなりすぎないよう注意する(自分かだれかがその飲料の広告で盤面に影響を及ぼさない限り、マイナーな飲料を取る意味がない)

 

・以下の「他プレイヤーの影響を受けにくい戦略」について、それらが今回のマップで可能か、より強い戦略が取れるか、またそれらを妨害できるか、もしくは自分がその戦略を取るか考慮する。ボード上の総需要が少ない3人以下のゲームで特に注意する。

 1.マーケター戦略

  (看板1つで家2件に需要を発生させ、その需要を独占して最速5ターンで100$達成を目指す)

 2.ウエイトレス戦略

  (ウエイトレスを大量に働かせて、5ドル*人数分の安定収入を目指す)

 3.高級化戦略

  (他プレイヤーが進出できない家に対して高値で商品を売る)

 

 

 

銀行準備金

正直あんまりよくわかってない。

 

・自分が何をして勝つつもりなのか、大筋イメージしておく。

 (需要を打って勝つのか、打たせて勝つのか、その他特殊な戦略か)

 

・基本的に、特殊な戦略を取らないなら、ここで適当に入れて、戦術の方を合わせていくイメージ。

 

・ただし、誰かがマーケターやウエイトレスで序盤に勝負を決めに来そうなら、自分が中庸な戦略を取る予定でも300$を入れる。

 

初手:

ここまでですでに決まっているのが望ましい。

何らかの事情で予定が狂ったら、リクルーターでいいんじゃないでしょうか。

 

 

序盤(共通)

・「最初に100$獲得した」のマイルストーンについて「誰よりも早く取る」か「取らない」か方針を決め、取らない場合はCFOの雇用を意識して動く。

 「取る気がないのに取れちゃった」人はかなりの確率で勝つし「取るつもりなのに取れなかった」人は敗色濃厚。

 

 ・自分がテーブルの中で経験豊かな方のプレイヤーである場合、後手番を取る価値が上がる。緩手につけ込んだり、友情コンボで伸びたプレイヤーを叩いたりするため。

 

・フードとドリンクのどちらを作るべきかは良し悪しだが、逃げ切りを狙っていて、バーガーかピザを自分一人だけ作れそうなら積極的に作る。序盤はドリンクからフード、またフードからフードへの切り替えが困難なため、対応する間を与えずに稼げる。

 

・他者を妨害するために広告を打つ場合は慎重に。相手がすぐに供給できる場合、かえって100$達成を手助けすることにもなる。

 

 

序盤(トレーナーオープニング)

トレーナーで管理職見習いを育ててグルにし、ブランド執行役員をはじめとした強力なカードを使う戦略を指す。

 

・ルール上、雇用したカードは即教育できる、つまり、グルかコーチを雇うまでは「教育してから使う予定のカード」を雇う必要がないことに注意。管理職を育てている間にリクルーターを取っておこう。

 

・展開の早いプレイヤーが多いとか、グルの枚数以上のプレイヤーがトレーナーを取ったりとかした場合には、グルではなくコーチを取る路線も考慮する。

 

・仕入れ系のカードを使うときや、広告を打つときは、なるべく手番順で後手を取る(自分が生み出す需要に相乗りされにくいように)。

 

・↑上記を達成するため、またグルの取り合いに勝つために、それ以外の場合はなるべく先手を取る。

 

・他プレイヤーが自分のラジオに容易に相乗りできそうな場合、すぐにラジオを打たずに、相手が給料で消耗するのを待ちつつ新たな仕入れ手段を用意する戦略がある。ただし4人以上プレイの場合「最初にラジオで宣伝した」を取り遅れないよう注意。

 

 

序盤(リクルーターオープニング)

「最初に1ターンで3人雇用した」で増える手数とマイルストーンで戦う戦略を指す。初手トレーナーに走ったプレイヤーがいる場合、自ずとラジオの需要を奪うことに注力する流れになる。

 

・初手トレーナーに入ったプレイヤーがラジオや飛行機を打つ前に、残りのプレイヤーで「最初に○○を宣伝した」マイルストーンを枯らしておきたい。

 

・「最初に100$獲得した」を取らない場合「最初に給料を20$支払った」は必ず獲得したい(マイルストーン効果がないとCFOを作りにくい)。どちらのマイルストーンを取るにせよ、資金繰りにウエイトレスが役に立つ。

 

・金もないのにフードを作ってマイルストーンで来たシェフを即クビにするとか、そういう細かいミスに注意。

 

・初手トレーナーに入ったプレイヤーが仕入れ系のカードを使うときや、広告を打つときに、そのプレイヤーより後手を取り、広告に即相乗りできるようにする。

 

 

 

中盤(共通)

個々のゲームによるところが大きくなる。

 

・相手の商品単価、管理職、供給量に常に気を配る。リストラクチャリング時を除き所持カードについてはルール上いつでも聞いてよい。

 

・戦略外の話だが、ディナータイムや広告、銀行等の処理はなるべく経験者で分担しよう。有限の処理能力を公平に分担し、よりレベルの高いゲームを。

 

・ラジオを打つ場合の効果時間は、「どのくらいの間需要を独占できそうか」で決める。仕入れも値下げも先行できそうなら長めでよいが、そうでなければ短めにして、自分に都合のよい場所や種類で何度も打つ方が得な場合が多い。

 

・逆にラジオを打たないプレイヤーは、打つプレイヤーの動向を見ながら仕入れ系職業を構えつつ、ラジオ無しで黒字が出るよう広告にも注力する。それらを両立するための手数と心得る。

 

・他者の需要を奪う方法として「値引き」と「新規出店」があるが、広域マネージャーの出店は特に強いので注意。単価を下げなくて済む都合上、まず「新規出店」が攻撃的に仕掛けられ、防御的な意味合いで値下げが使われる傾向にある。攻めるにせよ守るにせよ、中盤以降は教育してすぐ使える管理職を保持しておきたい。

 

・相手が値下げや新規出店で需要をかっさらうターンに仕入れ制作系のカードを打つと、ほぼ完全に手損になるので注意。売れないターンを見極めてきちんとしゃがむことができればしめたものだが、そもそも「値下げが間に合わず、需要を奪われる」ことがないよう立ち回れればなおよい。常に後手番を取れるよう意識するとそういった動きがしやすくなるし、なんなら自分から値下げもできる。

 

・新規開拓は強力だが、需要を奪われる可能性がある。特に伸びているプレイヤーに奪われないよう注意。

 

 

 

 終盤

・値下げの激化によって、終了が存外に延びる場合がある。「総需要が◎個でだいたい単価○$、うち△割はCFOで1.5倍」くらいは数えられると有利だと思う。

 

 ・いらないカードを早めに見切ってクビにすることを考える。単価5$まで値下げが進んでいるとき、一人クビにすることは、それ以降1ターンにつき一つ余計に商品を売ることに等しい。

 

 

 

今回はこんなところで。

インテリ向けツナマヨの提案

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追って説明しますが、こちらの画像はツナマヨです。

 

 

0.序文

毎日職場に持っていく弁当のため、しばしばツナマヨを作っている。

 

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ツナ缶を開け、油を切り、皿にあけて、マヨネーズと和える。何度もルーチンワークのように繰り返すうち、ある時はたと気がついた。

このツナマヨとかいう料理、かなり馬鹿っぽくないか。

 

 

1.なぜツナマヨは馬鹿っぽいのか

過去の私のように、未だツナマヨの馬鹿っぽさに気づいていない皆さんのために説明しよう。

ツナマヨに使われているもの一つずつに向き合うことで、言わんとしていることがおわかりいただけるはずだ。

 

まずツナ缶について。

もしお手元にツナ缶をお持ちなら、その裏側を見てもらうとわかると思うが、あれはつまるところ「マグロの油漬け」である。

油の中で魚を煮ることで、あの柔らかくジューシーなツナ缶ができる。

ツナ缶の組成を簡単に表すとこうだ。

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【ツナ = マグロ + 油】

 

次にマヨネーズ。

詳細は省くが、マヨネーズの主な原料は油、酢、卵である。

先ほどと同様に書き表すと、

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【マヨネーズ = 油 + 酢 + 卵】

となる。

 

これを踏まえた上で、ツナマヨの作り方を振り返る。

ツナ缶を開け、油を切り、皿にあけて、マヨネーズと和える、だ。

これを式に表すと、【ツナマヨ=ツナ缶-油+マヨネーズ】となるが、ここにさきほど求めた値を代入すると、こうなる。

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【ツナマヨ = マグロ + 油 - 油 + 油 + 酢 + 卵】

 

どうだ、馬鹿っぽいだろう。

ツナマヨという簡単な料理を作るために、やたらと油を足したり引いたりしており、あまりに非効率的だと言わざるを得ない。「一度引いた油を、あとでまた足している」これが馬鹿っぽさの所以である。

 

 

2.効率的ツナマヨの探求

さて、前提の共有がなされたところで、掲題の通り、ツナマヨの馬鹿っぽさを知った我々インテリのためのツナマヨについて考える。

義務教育で初等数学を学んだ我々なら知っての通り、ある数aとその加法逆元-aの和は0となる。また、加法単位元である0は、加法によっては他のあらゆる元に影響を与えない。

(これをひらたく言うと「3 - 3 = 0」だし「5 + 0 = 5」だよね、ということである)

 

ともかくこれを先ほどのツナマヨ式(ツナマヨ = マグロ + 油 - 油 + 油 + 酢 + 卵)に反映すると、以下の通りだ。

 

【ツナマヨ = マグロ + 油 + 酢 + 卵】

 

ここで、先述の通り【ツナ缶 = マグロ + 油】なので、より簡単に

 

【ツナマヨ = ツナ缶 + 酢 + 卵】

 

と書き表せる。

 

つまり、ツナマヨを作るためには、油を切っていないツナ缶に酢と卵黄を足せばいいことがわかる。インテリたるもの、やたらと油を捨てたり足したりなどという余計な手間は省き、効率的に生きるべきだ。

 

 

3.効率的ツナマヨ制作の実践

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突然むき出しの生活感をお見せして恐縮だが、こちらがツナマヨの材料である。

 

理論上「ツナ缶から出た油を、酢と卵と混ぜてマヨネーズを作り、ツナ缶に戻す」ことでツナマヨが作れるはずなので、どんどん進めていこう。

 

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これを、

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こうして、

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よく混ぜ合わせると、

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マヨネーズに、なる筈だったんだけどなあ。

 

マヨネーズと呼ぶには明らかにゆるく「なんか薄ら酸っぱくてぬるぬるしたやつ」とでも呼ぶほかない、マヨネーズとは程遠いものになってしまった。実験は失敗である。

卵が常温に戻っていなかったとか、ツナ缶の油は煮汁を含んでいるとか、フォークではなく泡立て器を使うべきだったとか、原因は色々と考えられるが、ともかくも今回の方法ではマヨネーズが作れないことが判明した。

 

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一応、この出来上がった「薄ら酸っぱくてぬるぬるしたやつ」をツナと玉ねぎにかけて食べてみたところ、味についてはあっさりとして中庸なドレッシング、という趣で悪くはなかったのだが、「上からマヨネーズかけて食いてえな」と思ったことを報告しておく。

 

実験の失敗は残念ではあるが、理論で説明できない失敗は常に新たな発見の前触れである。次に進もう。

 

 

4.革新的アプローチによる効率的ツナマヨ制作

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気を取り直すべく「フリー素材の空」を用意したので、地味な写真続きで疲れた目を癒やして欲しい。

 

さて、気を取り直して。失敗したときは基本に立ち返り、改めてツナマヨ式を見直すことにする。

 

ツナマヨ = マグロ + 油 + 酢 + 卵

 

ここで先程は「マグロ + 油」をツナマヨとみなして話を進めたわけだが、この式は以下のようにも解釈できる。

 

【ツナマヨ = マグロ + マヨネーズ】

 

ツナ缶がマグロを油で煮た料理であることを考えると「マグロをマヨネーズで煮る」ことによって、より効率的にツナマヨができる筈だ。

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マグロを

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マヨネーズに埋めて

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電子レンジで弱め(200w)に二分間加熱してみた。

 

するとどうだろう。

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これは、

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割とツナマヨではないか?

 

冷めるのを待って一口食べてみたところ、既存のツナマヨとおおむね遜色ない出来上がりであった。

加熱された油っぽいマグロの歯ざわりに、マヨネーズのコク。既知のツナマヨと全く同じとはいかないが、その差も「お店のチャーハンって、やっぱり自分で作るのとは違うよね」的な範疇に収まっているし、これが入ったおにぎりを食べたあとで中身について聞かれたら、10人中8人は「ツナマヨ」と答えるだろう。

むしろ、出来立てであるためかマグロとマヨネーズの味がそれぞれ濃く感じられ、こちらをより好む人も決して少なくないように思う。

 

5.革新的ツナマヨが内包する問題とその改善 

さて、概ね満足いく仕上がりに見えるインテリ向けツナマヨであるが、改めて写真を見て頂くとわかるとおり、かなりの量の油が分離している。

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底の黄色い液体は全て油である。

 

そもそも今回の試みが「ツナマヨを作る為に油を足したり引いたりする馬鹿っぽさ」の解消を目指すものであるからして、この「油が余っている」現状を見過ごすわけにはいかない。

理論的に正しい方法で作られた筈の今回のツナマヨではあるが、観測的事実は常に理論に勝る。この結果を式に表すと、こうなるだろう。

 

【マグロ + マヨネーズ = ツナマヨ + 油】

 

先ほどまでの理論と矛盾するようだが、観測的事実を真摯に受け止めて、次に進もう。

 

 

6.真に効率的なツナマヨの発見とその制作

さて、先程の式

 

【マグロ + マヨネーズ = ツナマヨ + 油】

 

をよく観察してみると、我々はある事に気づかされる。

まず、マヨネーズは油 + 酢 + 卵、であるからして

 

【マグロ + 油 + 酢 + 卵 = ツナマヨ + 油】

 

と書くことができる。

 

義務教育で学んだ通り、等式の両辺から同じものを引いても変わらず等式は成り立つので、両辺から油を引くと

 

【マグロ + 酢 + 卵 = ツナマヨ】

 

となる。

理論と実験的事実から導かれたこの式こそ、最も効率的なツナマヨのレシピである。

 

実際に作ると、こうだ。

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「もずくを切らした日の一品料理」のようだが、ツナマヨである。

 

これがツナマヨだと言われて納得できる人はそう多くないだろうが、我々はこの非直感的な事実を受け入れなければならない。

「電車の中と外で時間の進み方が違う」と主張する相対性理論や、「壁に向かって投げたボールが、壁を通り抜ける」可能性を否定しない量子論。現代の科学は、いくつもの直感的でない理論によって成り立っているのだ。

 

 

7.終わりに

今回の実験によって、真に効率的なツナマヨの作り方を導くことができた。

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 【マグロ + 酢 + 卵】

 

これを読んだ貴方も、明日からこのレシピでツナマヨを作ることで、よりインテリらしく、効率的な暮らしを送ることができるだろう。

僕はインテリじゃないので普通に作ります。

【フードチェーンマグネイト】初プレイをクソゲーにしないための序盤戦略

今年9月にB2Fとテンデイズから日本語版が発売されたフードチェーンマグネイト。

公称2~4時間という重量級でありながら、テーマとコンポーネントのキャッチーさや高い戦略性などで評判の良いゲームで、これからしばらくは卓を立てたり、また誘われたりする機会も多くなるかと思います。
ただこのゲーム、弱者救済などの甘えがないデザインや、先に述べた長いプレイ時間などの問題があるために、序盤に躓いたプレイヤーが失意のままプレイを続けることになる不幸なゲーム体験が発生しがちです。


そこで今回、BoardGameGeekやchocoxinaが同卓したプレイヤーの間で一定のコンセンサスを得ている序盤戦略を簡潔にまとめることにしました。
フードチェーンマグネイトは、序盤に躓かなければその後の自由度の高いゲームですので、未経験者を交えてプレイするゲーム所有者、または「経験者とのプレイを控えてうずうずしており、戦略の予習を厭わない」新規プレイヤーの方はぜひご活用下さい。

なお、以下に示す戦略については、勝利がどうこうよりも「どうやって定石のその後の道筋を見せるか。勝てないにしてもプレイできた感を味わってもらうか」という観点からの紹介になっています。(もちろん攻略上有用でもありますが)

 

※以下、特に断りなき場合4人プレイを想定。


1.トレーナー戦略


初手にトレーナーを雇用、次の出番で雇った幹部候補生をすぐ係長に教育して「最初に誰かを教育した」のマイルストーンを獲得。
そのまま係長を「グル」まで教育して、その効果で強力なカードをどんどん使用できるようにする戦略です。

 

a.この戦略の強み(ゲーム体験向上の観点から)


・最序盤にやることがほぼ決まっているので、経験者がアドバイスしやすい
・しばらく給料のことを考えなくてよい。
・手番順で後手を取りやすく、人のプレイを見られる。
・強力なカードを沢山得られるので、色んなプレイを試すことができる。盤面への影響力が高く「ゲームに参加している感」が強い。

 

b.この戦略の弱み(ゲーム体験以下略)


・後半追い込み戦略になるので、しばらく置いて行かれる感がある(凹んでいても希望が見えるとも言う)。銀行準備金が少ないと力を発揮する前にゲームが終わる。
・最初の数手がガチガチに決まっているので「自分でやってる感」が欲しいプレイヤーには不向き。
・最初の数手を万一間違えると大きく躓く。(まったく余談ですが、chocoxinaは直前のプレイでここに躓いたため、当該戦略をちゃんと予習するためにこの記事を書いています)

 

c.戦略の紹介にあたって


「グル」を獲得するまでの路線がほぼ決まっているので、以下に手順を示します。

・第一ターン
トレーナーを雇用

・第二ターン
トレーナーをプレイ。幹部候補生を雇用し、教育で係長に。「最初に誰かを教育した」のマイルストーンを獲得。

・第三ターン
トレーナーをプレイ。雇用は任意※1だが、ここでは調理師見習いを獲得。係長を部長に。

・第四ターン
トレーナーと調理師見習いをプレイ。部長をグルに。バーガーかピザを作って、マイルストーンの効果でコックを得る。ここで冷蔵庫が得られると具合が良い。

・第五ターン
ここから自由だが、マーケター見習いを雇用、即ブランド執行役員に教育して、次手番にラジオを打つのが王道か。なるべく早いうちにリクルーターを得るようアドバイスしたい。


※1.任意と言いつつ選択肢はそう多くない。マイルストーンの取られ方によっては「使い走り」「リクルーター」もありかといった所。適切にアドバイスを。

また、3人プレイの場合「グル」が一枚しかないことに注意して下さい。

 

 

2.リクルーター戦略


初手、二手目とリクルーターを取り、三ターン目で「最初にターン内に3人雇用した」のマイルストーンを獲得。大きく増える手数を生かして細かいマイルストーンを得つつ「最初に給料を$20以上払った」を目指す戦略です。

 

a.この戦略の強み


・序盤から中盤にかけて走れるので気分がいい。そのまま勝ち切ることも。
・カードの質ではなく量で勝負なので、戦略の細かな調整、修正が効きやすい。
・空き枠はどうせ全て使うので、手番順について考えなくてよい。
・序盤から戦略に幅が出るため「やらされてる感」が少ない

 

b.この戦略の弱み


・戦略の柔軟さの裏返しで、序盤から常に他のプレイヤーの動向を伺う必要がある。ゲーム慣れしたプレイヤー向き。
・2人以上が同じ戦略を取るとき「最初に給料を$20以上払った」を取れなかったプレイヤーは難度が上がる。
・序盤から戦略に幅が出るため、アドバイスしにくい。

 

c.紹介にあたって


・とにかく他プレイヤーの動向に注意を払い「最初に商品を廃棄した」「最初に○○を作った/宣伝した/プレイした」辺りのマイルストーンを無駄に取りこぼさないよう注意を払う。
・コックを取ってすぐクビにすることがないよう、手番が増えたらまずは広告を打つ、もしくは調理師見習いの代わりに使い走りを取るようアドバイスしたい。
・なるべく冷蔵庫が取れるようにしたい(最初の20$が稼ぎやすくなるため)。
・上記を満たすためには、マーケター見習い→使い走り→調理師見習い、とプレイできればおおむね安定するが、細かなタイミング等に注意。

 


3.その他の心がけ


・特に序盤、多少のアンドゥは容認しましょう。そこで躓かせないための当該エントリです。
・カードの選び直し、ゲームの仕切り直しを言い出しやすい雰囲気を心がけたい。
・初めてのプレイヤーにルールの把握漏れや、理解の不足により中盤戦略が思いつかないなどの問題があっても、そのプレイヤーや、インストした自分を責めないように。これだけの重ゲーではやむなしです。
・中盤戦略についてはむしろ、すぐアドバイスできるようまず自分がゲームへの理解を深めておきましょう。実力差はどうせ出てしまうので。

 


4.それでも出遅れたプレイヤーが発生したら


寛大な心で仕切り直しましょう。プレイスペースなどでプレイしている場合はレンタル時間や終電に余裕を持って。

 

 

5.内容へのツッコミについて

 

大歓迎ですので、Twitterで@chocoxinaまで。

ゲーマーからヨッピー氏への公開質問状に対する違和感

0.極めて簡潔な序文

 ボードゲームってすごくおもしろいのに、そのおもしろさを伝えるのってめちゃめちゃ難しくない!? - トゥギャッチ

この記事に対して

はただ よしたけ - コラムサイト 「トゥギャッチ」 が 2016年8月15日に掲載した... | Facebook
こういうリアクションがあって、chocoxinaはこのリアクションの方を、なんか超グロテスクだなーと思ったので、その理由について、主に自分のために以下にまとめます。

※以下、質問状からの引用箇所は、スマホfacebookの仕様によりコピペができなかったために手打ちです。細かなミスがある可能性があります。

 

1.ボードゲームにおける現金の使用について

渦中の記事では「街コロ」をプレイするにあたり、得点を現すチップの代わりに現金を使用しており、またその光景が画像になっています。
質問状ではこれを「ボードゲームに賭博のイメージを与え、ゲーム会やゲームカフェの運営などに支障をきたす(要約)」として、問題であるとの立場を取っている、という状態です。

確かに、いわゆるオープンゲーム会が公民館などに会場を借りるにあたり「現金をかけたりしないか」としつこく聞かれたという事例や、現行法の解釈によっては、賭博を匂わせるからとボードゲームカフェにトランプすら置けない、というような現状を鑑みれば、アナログゲームと現金の関係というのは、非常に注意を要する表現だったと言えます。
ここでchocoxinaとしては「それでも、現金を使うことによってのみ成し得た表現や、そこにきちんと配慮があったことなどを尊重すべきだ」という立場を取りますが、それはともかく、この段で示しておきたいのは「いま、chocoxinaが問題としているのは、現金を使うことやその表現の是非についてではない」ということです。

 

2.ボードゲームはどうあるべきか、あるいは、そんな事を誰が決められるのか

chocoxinaが先の質問状に覚える違和感の原因の一つが、文中で「質問者の思うボードゲームのあるべき姿が、自明のように語られていること」です。


最も象徴的なのは、以下の文でしょうか。

ボードゲームは、大人も子供も一緒に遊べるホビーですので、その形のまま普及すべきものですが、この記事によって歪曲された印象を読者に与える可能性があります。

ここで質問者は「大人も子供も楽しめるホビーであること」をボードゲームのあるべき姿だとして、その姿にそぐわない記事や記事中のゲームプレイを「歪曲されたもの」だとしているように受け取れます。

 

正直、この文章は私にとってかなりショッキングでした。このエントリを書くに至った直接の理由だといって過言ではありません。

 

私や私の友人は、時に
「むかつく友達、行きたくないパーティ」というゲームでボード上のキャラクターのセクシャリティについて少々差別的な軽口を叩いたり、
「こねこミキサー」というゲームで子猫が満載されたミキサーの電源を入れて得点を喜んだり、
ポーカーで「一時の娯楽に供するもの」を賭けたり、
「おっぱい・おしり・サンシャイン」というゲームで、乳房の形をしたトーテムを大喜びで掴んだりすることがあります。


またそのようなゲームのテーマによらずとも、酒や、軽口や、ここだけの話や、一時の娯楽に供するものや、セクシャルなものごと、そういった、緊縛ほどハードではないにしても「到底子供に見せられない」ような要素をゲームに持ち込んだことが無いとは言えません。

 

我々は、質問者のいう「歪曲した」遊び方をしていたのでしょうか? 私はそうではないと考えます。

 

先に挙げたような「インモラルな」ゲームたちは、言うまでもなく大人が遊ぶことを想定したゲームです。
その中の下品なコンポーネントや、プレイヤーの軽率なトーク、そういったものが子供に届いてしまうリスクを「プレイヤーの良識」に委ねることによって、あのゲーム達は例えば「大の大人が大はしゃぎでおっぱいを奪い合う」というような、無二の楽しさを提供してくれるわけです。


それを「ゲームの魅力」だと言わずして、何だというのか。ゲームのそういった一側面を否定するような主張は、個人的に容認できるものではありません。


※1.大人と子供が一緒になって遊べることは、もちろんアナログゲームの大きな魅力ではありますが、それ以外の姿を「歪曲」だとする姿勢は容認できない、という意味です
※2.下品な遊び方をすることそのものではなく、それを記事として公開することが問題なのだという話は論点になりえますが、それは「下品なゲームを世に出すこと」と同程度に、同様の理由で保護されるべき権利だと考えます

 

質問者がよく子供に触れるために神経質になったのか、または例えば現金への問題意識などでヒートアップして筆が滑ったのか、はたまた自らの立場を過信して、自分にはボードゲームのあるべき姿を決める権利があると考えたのかは定かではありませんが、立場ある方からこのような意見が出たことは、残念に思います。

 


3.何がネタで、どれがマジレスだったやら

先の質問状への違和感のもう一つが、記事中の明らかなジョーク(と、少なくともchocoxinaには思われること)をほじくり返すような姿勢です。


質問 6.
吊るすという"SMまがいの行為"の表現に対して、実際に吊るされた企画参加者の皆様は傷病を受ける可能性をどれだけ認識していたのでしょうか?
また、読者の皆様が"真似"をする可能性をどれだけ把握していましたか?

この「質問の体をとった、嫌味な上司の責任追求のような言い回し」も気になるところですが、個人的にはそもそも質問の内容に違和感があります。
文中で、プロの手で行われたことや、マネしないようにとの記載がある緊縛行為に、質問者は果たして「本当に真似されるリスクを感じていた」のでしょうか。

また、

質問 5.
豊田氏は自分のフォロワーの数をかさにきた恫喝ともとれる発言をしています。
この発言はライターとしての矜持と照らし合わせてどのようにお考えですか?

など、質問状への回答にて冗談とされた発言に対する質問についても、個人的にはやはり、いずれの発言も冗談の域を出るものだとは到底思えないために、ライターとしての矜持だの何だのという質問は露悪的に過ぎると考えます。

(質問者の指摘する「マナー上の問題」は確かにありますが、そもそもマナーというのは「テーブル上での同意」以上の効力を持ち得ないものです。
同意の上でのマナー違反を記事として表現することは、まさに「真似されるリスクを受け手の良識に委ねる」行為であり、前述のインモラルなゲーム達と同様に尊重されるべきだと考えます)

 

これらの質問に対する違和感は、私と質問者の解釈の相違の問題、すなわち「質問者は、記事で書かれたような緊縛などの行為について、どういうわけかすべてシリアスなものだと感じて問題提起をしていて、それらを冗談だと思っているchocoxinaと認識の食い違いがある」のだと考えたいところ(まあ、本気だったとしたらもっと質問の仕方があるだろうとは思う)ですが、
もしこれが「冗談と分かった上での質問」だったとしたら、いったい何の目的でライターの矜持だの何だのと・・・まあ、下衆の勘ぐりはやめておきましょう。

 

ともあれ、件の質問状に対してはSNSにおいて「脅迫を真に受けたりしてネタにマジレスだ」「いや、現金の話はネタにマジレスなどという問題ではない」などとそれぞれすれ違った反応が見られたので、

ここでは「あの質問状には、現金のくだり以外にも、まさにネタにマジレスとしか感じられない奇妙な指摘が確かにあった」ということを確認しておきたいと思います。

 

4.ボードゲームの面白さは、結局どのように伝えたらいいのか

渦中の記事、および質問状への回答にて、トゥギャッチ側は「ゲームのルールを知らない人に、駆け引きの魅力を伝えることは困難なので、とにかくぱっと見で興味を持ってもらえる記事にした(要約)」という立場を取っています。


この「ボードゲームの魅力をどう伝えるべきか」という話は、ボードゲームファンの間でも議論の絶えない所ですので強い主張は避けますが、質問状の最後の質問、


質問 7.
この記事はボードゲームの面白さを伝えるとありますが、この記事に登場する皆様はこれら"SMまがいの行為"や"現金を扱う"
"というやり方で本当にボードゲームの面白さを伝えられると思いますか?
またこの記事でボードゲームの面白さを伝えられると思われるのならば、その理由などをお教えいただけますか?

に顕著に表れるような、質問者の「駆け引きの面白さを伝えずにボードゲームの魅力が伝えられるわけがない」とでも言いたげな立場についてだけは、いったん「待った」をかけておきたいな、と個人的な意見を表明しておきます。いくつかの、駆け引きもクソもなく楽しいゲーム達や、ゲームを楽しむ才能に溢れた友人を思い浮かべたりしつつ。

 

 

5.つまり何が言いたいのかというと

早いとこ「なんで公開質問状というかたちをとって、こういう質問をして、回答に対してどう思ってるのか」を質問者から伺いたいところです。

 

 

6.書き切れなかった細かいこと

ボードゲームのマナーについて「○○はマナーとなっています」という言い回し、なーんか、お前どの立場でモノ言ってんだよって感じがして好きじゃないなー。
・ライターという「文章のプロ」が「駆け引きの面白さは、記事では伝えにくい」としたことは、我々コトバの素人として重く受け止めたい。
・ゲームにおいて、駆け引きの面白さは確かに大事だが、質問者はそこを偏重しすぎでは?

 


まあ、こんなところで。

ペアーズのオリジナルルール「Twenty-five」

1が1枚、2が2枚……10が10枚のカードを使って、ギャンブル系を初めとした様々なゲームができるペアーズというカードゲーム
が先日発売されまして、そのルールデザインコンテスト
に向けて制作、応募したルールを公開します。




タイトル:Twenty-five
プレイ人数:3-4人 
必要なもの:ペアーズ1デッキ、得点記録用の筆記用具


0.導入

このゲームでは、全プレイヤーが持っているカードをすべて合わせたとき、
合計でいくつのペアがあるかが重要な要素になる。
ただし、ペアの数を数えるとき、同じ数字のカードが3枚以上ある場合は
その中で作りうる全てのペアをカウントする。
例えば、場に10のカードが合計5枚あった場合、それぞれのカードを仮にa,b,c,d,eと呼ぶと、 ab,ac,ad,ae,bc,bd,be,cd,ce,deの10通りの組み合わせが考えられるので、「10のペアが10組」と数える。
同種のカードの枚数とペアの数の対応は以下の通りである。


 2枚 -  1組
 3枚 -  3組
 4枚 -  6組
 5枚 - 10組
 6枚 - 15組
 7枚 - 21組
 8枚 - 28組
 9枚 - 36組
10枚 - 45組

(以上の表は、プレイヤー全員が確認できる状態にしておくことが望ましい)

このゲームでは、プレイヤーは手番ごとにカードを引く。
そのたびにゲーム中に使われるカードが増え、そのたびにペアの総数が増える。
限られた情報を頼りに、そのペアの数が25を超えたとき適切にパスができたなら、敗北を免れるだろう。
ただし、25を超えないうちにパスをしてしまうと、大きく敗北に近づくことになる。



1.準備


すべてのカードを裏向きでよく切ったあと、各プレイヤーに以下の内訳でカードを配る。
残ったカードを山札としてテーブル中央に置く。

3人プレイ:一人4枚
4人プレイ:一人3枚

各プレイヤーは、配られたカードを手札として持ち、そのうち、書かれた数字がもっとも大きいカードを一枚、
自分の前に表向きに置いて公開する。
このとき、手札に5のカードを持っている場合、代わりにそのカードを公開してもよい。
(例:手札が1,5,10である場合、5か10を公開できる)
以後こうして自分の前に公開されたカードを場札と呼ぶ。

年齢の最も若いプレイヤーをスタートプレイヤーとしてラウンドを開始する。



2.ラウンドの進行


スタートプレイヤーは、以下の操作を順番に行う。

(1)カードを引く
山札からカードを一枚引いて、手札に加える。

(2)カードを公開する
手札の中で最も数字の大きいカードを場札として公開する。
このときもまた、手札に5のカードを持っている場合、ラウンド開始前と同じように5のカードを公開してもよい。
なお、カードを公開して場札を追加するときは、公開された順番が分かるように並べること。

以上でスタートプレイヤーの手番は終了し、左隣のプレイヤーに手番が移る。
二番目以降のプレイヤーは、スタートプレイヤーと同じように「カードを引く」「カードを公開する」の操作を行うか、
代わりに「パス」を宣言することができる。


3.パス


直前のプレイヤーの手番が終了した段階で、ペアの数が25を超えたと判断した場合、
プレイヤーは手番の行動の代わりにパスを宣言することができる。
カードを引いてからパスを宣言することはできない。


パスが宣言された場合、すべてのプレイヤーはただちに手札を公開し、全員の場札とともに一箇所にまとめる。
その後すべてのカードを数字ごとに分けるなどしてペアの数を数える。

数えられたペアの数によって以下の通り得点の処理を行い、結果を記録する。


(1)ペアの数が25未満だった場合
パスを宣言したプレイヤーは10点を得る。


(2)ペアの数が25より多かった場合
パスを宣言された(最後にカードを引いた)プレイヤーは「ペアの数-25」点を得る。


(3)ペアの数がちょうど25だった場合
パスを宣言した以外のすべてのプレイヤーは10点を得る。



全員にカードが配られてから、パス宣言による得点までを1つのラウンドとする。
ラウンド終了後、その時表向きで公開されているカードすべてと残った山札(つまり、すべてのカード)をまとめて
裏向きのまま混ぜて新しい山札とし、カードを配って新しいラウンドを開始する。
新しいラウンドのスタートプレイヤーは、直前にパスを宣言したプレイヤーとする。




4.ゲームの終了


ラウンド終了時、得点が25を超えたプレイヤーがいる場合、ゲームは終了する。

最も得点の高いプレイヤーを敗者とし、プレイヤー間において適切な何らかの方法で敗者を罰する。
そのとき、法律、条例、TPO、敗者の健康状態や嫌がり様などには十分注意すること。



5.ヒント


・場に同じ種類のカードが一枚増えると、ペアの数は「それまでにあった同じカードの枚数」分だけ増える。
 (10のカードが5枚から6枚に増えた場合、ペアの数は10組から15組に、つまり5組増える)
 つまり、ラウンドが長引くと、1手番ごとにペアが増えるペースが上がることになる。
・ペアの数がちょうど25になる為に必要な最小のカード枚数は12枚、最大の枚数は27枚である。