chocoxinaのover140

ハンドルは「ちょこざいな」と読ませている

この夏インドア派こそ始めるべき「ディスクゴルフ」7つの魅力

ディスクゴルフ、というスポーツがある。 f:id:chocoxina:20190604233540j:plain その名の通り、ディスク、いわゆるフリスビーを f:id:chocoxina:20190604233608j:plain 専用のコースで飛ばして、 f:id:chocoxina:20190604233647j:plain バスケットに入れるまでの打数を競うスポーツだ。

――楽しそうじゃん?

むろん、ディスクゴルフは実際に楽しい。
コースをたかだか3つほど回っただけの筆者が、こうして紹介記事を書こうという位だから、その点は間違いない。

正直なところ、ディスクゴルフの魅力についての説明なんて「フリスビーぶん投げたら楽しかろうもん」で十分だろ、と思ってさえいる。
とはいえ、読者の諸兄諸姉は「知らん奴が紹介してる知らんスポーツ」をすぐに始めようという気にはなかなかなれないだろうから、どうにかもう少し言葉を紡いでディスクゴルフの魅力を紹介しよう、というのが本記事の趣旨である。

案外そこいらでできる

うすうす御察しであろうとおり、ディスクゴルフを行うためには、原則専用のバスケットが設置されたコースへ赴く必要がある。

ついさっきまで名前も知らなかったスポーツの専用コースなんてものが、一体この世にどの位あるのか不安に思われるかも知れないが…
日本ディスクゴルフ協会(そういうものがあるのだ)のサイトによれば、なんと全国に50以上存在する。

www.jpdga.jp

筆者の住む東京都では、昭和記念公園、辰巳の森海浜公園、上柚木公園の3か所だ。

その他の地方の事情については協会のサイトに譲るが、「名前も聞いたことのないスポーツにしては、意外とやれるとこあるな」と感じて頂けたのではないだろうか。

金がそんなにかからない

ディスクゴルフでは、そこいらの「いわゆるフリスビー」よりもいくらか小さく薄く、さらに重量のあるディスクが使われる。

実家で犬に喰わせているフリスビーが使えないのは欠点といえば欠点だが、たいていのディスクゴルフコースでは、初心者用の専用ディスクをレンタルすることが可能だ。
筆者の知る限り、丸1日遊んで500円とかそこらで借りられるような所がほとんどなので、あとは家から動きやすい服装で出てくればただちにディスクゴルフを始めることができる。

「クラブとボールを使うほうのゴルフ」と比べれば、その初期費用の差は一目瞭然。
少し道具に凝り初めて自分用のディスクを買うようになったとしてもせいぜい1枚2,000円ほどで、10連ガチャを2回引く金でディスクを3枚買うことができる。
さらにガチャはワンタップでたかだか10回しか回らないが、フリスビーを勢いよく投げれば100回転はするので断然お得だ。

■ディスクをamazonで買おうとするとだいたい妙に高いのだが、これをはじめとしたいくつかの初心者セットは適正価格で売られている

ただし、次に紹介する理由で余計な出費がかさむ可能性は十分にあるので、そこだけ注意してほしい。

道具に凝れる

ディスクゴルフ用のディスクは、普通のゴルフにおけるクラブとボールの役割を兼ねており、「ドライバー」「ミッドレンジ(アイアンに近い)」「パター」などといった種別がある。 
ティーショットではドライバーを投げ、着地点から別のディスクに持ち替えてまた投げる…というのを繰り返してホールを回るわけだ。

さらに、同じ役割のディスクでも性能はそれぞれ微妙に異なり

  • コースの形態に合わせて、左、あるいは右に曲がりやすいディスク
  • プロが投げれば100mを優に超える飛距離が出るが、生半可なものが投げると狙った方に飛ばすことさえままならないディスク
  • 全力で投げてもあまり飛ばない代わりに「転がして飛距離を稼ぐ」ことができるディスク
  • 磁性体が含まれており、バスケットに吸い寄せられる(?)ディスク

などといったものが数百種存在する。

もしあなたが20代から30代前半で、小学生時代に「パワータイプ」「連射タイプ」「変化球タイプ」のビーダマンをたずさえて友達の家に行ったことがあるなら、ディスクゴルフでコースや状況に応じてディスクを選んだり、似たようなディスクを投げ比べたりする愉しみを想像して頂けるだろう。

f:id:chocoxina:20190604234140j:plain また最近製造されたディスクには、こういった感じでスタッツが書かれている(記法はブランドによる)。
それぞれの数字はいちおう飛距離や飛行経路に関するデータなのだが、ディスクを投げたことがなければまるでピンと来ないだろうから、ひとまず「『ジョジョの奇妙な冒険』におけるスタンドパラメーター」のようなものだと思ってくれて構わない。
かつて「広義の男児」だった者なら、こういった数字を見るだけでもワクワクするはずだ。

現に筆者は、この数字やプラスチックの材質による細かな違いを試してみたいあまり、すでに役割の被るディスクを2枚買っている。

スポーツとしては相当ラク

ディスクゴルフは紛れもなくスポーツであるが、必要な運動能力は相当に少ない。

1kmかそこらを2時間かけて休み休み歩くだけの脚力と、150g強の円盤を前に放り投げられるだけの腕力があれば、なんの問題もなく18ホールを回り切ることができる。
あなたが普段、仕事でもプライベートでも手首から先しか動かさない、インドア趣味のデスクワーカーだったとしても、大きな苦労はなく楽しめるはずだ。

さらにディスクを飛ばすときは自然と腰をひねり、腕を振り回す動きをすることになるため、デスクワーカーの肩・腰のコリを解消するポテンシャルも秘めている。

ただし、準備運動を怠ると、固まった筋肉をかばって普段使わない部位を負傷することがあるので、その点だけは十分に気を付けて欲しい。

f:id:chocoxina:20190604234340j:plain

筆者は、仕事終わりに夜の公園でドライバーの練習を試みたところ1投目で上腕をぎっくりといわせ、サロンパスの小袋を一つ使い切るほどの損傷を受けたことがある。

ゴルフ用語がなんとなくわかるようになる

f:id:chocoxina:20190604234407j:plain ■15番パースリー、少しアゲンストが出て参りました(穏やかな声で)

ディスクゴルフは、その名の通りゴルフを基にした競技であるため、かなりの場面でゴルフ用語がそのまま流用されている。
第一投のための基準点は、もはやどこにもT字の道具など使わないにも関わらず「ティー」と呼ばれているし、ティーショットをしてからバスケットに入れるまでの一連の流れを「ホール」と呼ぶのも、考えてみればおかしな話だ。

そういう具合なので、ディスクゴルフをしていると、幼年期にオトナの隣で見ていたゴルフ番組に由来する知識が、自然と口をついて出てくるようになる。
ティーショット』で『フェアウェイ』を外したディスクを、どうにか3投目の『ロングパッド』でバスケットに沈めたとき、「これが『パーセーブ』か」とニュアンスを含めて腹落ちするようになるのだ。

また、これは魅力というよりも一種の「リスク」というべきものなのだが、ディスクゴルフをある程度するようになると、自分のスタンス(姿勢)やグリップ(握り)を一定に保つため、日常のふとしたときに「素振り」をする誘惑に襲われる。

f:id:chocoxina:20190604234616p:plain

そんな自分の姿が「おじさんが駅のホームで傘振ってるやつ」に重なると気づいたとき、あなたは相当の気恥ずかしさと共に、世界が少し広がる感覚を得られるはずだ。

独りでできる

あなたがディスクゴルフを始めるに際して「人を集める」という障壁がないのは特筆すべき長所だろう。
なにせ他のスポーツにおいては、例えばフットサルなら10人、3on3なら6人、テニスでさえ2人いなければゲームが成立しないなか、ディスクゴルフは独りでも何ら体験を損なうことなくゲームを完了できるのだ。

むろん、複数人でコースを回れば、スコアを競ったり、暴投を笑いあったりでより場が盛り上がるだろうが…
最終的に誰か人を誘うにしても、まず独りで予習できることは大きなアドバンテージになるだろう。

f:id:chocoxina:20190604234739j:plain ■こちらはディスクゴルフ歴10年以上という友人。無職時代は毎日スーツで公園に来ては、独りでフリスビーを投げていたという。

外で身体を動かすと愉快

改めて思い返して欲しいのだが、あなたはここ数年、 f:id:chocoxina:20190604234833j:plain 丘に登ったり、 f:id:chocoxina:20161214123601j:plain 呆れるほど高い空に向けてなにかを飛ばしたり、 f:id:chocoxina:20190604235011j:plain ガチャンと音がたつほど勢いよく、物をなにかに投げつけたりしたことがあっただろうか? (格好よくキメるべき記事の結びで恐縮ですが、2枚目の画像はちょうどいいものがなかったのでフリー素材です)

かつて体育教師を忌み嫌い、水泳をサボり、教室で大声を出すサッカー部員を疎ましく見ていた我々も、やはり天気のいい日に体を動かすと気分がいいものだ。
そういった感覚を10年、20年ぶりに思い出すためにも、ぜひ一度、ディスクゴルフをしに出かけてみてほしい。

自分の手から離れたディスクが威勢よく風切り音を立てながら、前へ前へと飛んでいくのを見るだけでも、後悔はしないはずだ。

ddjam.jp

■あなたが東京在住でマイディスクが必要になったなら、日暮里のD.D.Jamさんに行くとよい。ディスクに精通した店主と、人間の扱いに精通した犬がいる。