chocoxinaのover140

ハンドルは「ちょこざいな」と読ませている

【落ちのない話】そんなにチョコミントが好きか

チョコミント味のものをしばしば食べる。

この時期に食べるチョコミントアイスは美味い。キンと冷えたミントの清涼感とチョコレートのコク、お互いがしつこくなり過ぎないように手綱を引き合うような、均整のとれた味がする。

ところが世間の評判は思うほど芳しくない。歯磨き粉の味がするとかで、親の仇のように嫌う人が多いようだ。 個人的に、チョコミントのことを「歯磨き粉の味」などと言われると、ちょっと待ち給えよ、という気分にはなる。チョコミント美味いやろがい、と言い返したい気持ちもまあ、否定できない。

 

でも、と立ち止まり考える。自分はそこまでチョコミントが好きだろうか。 チョコミントはわりかし美味しい。だが不当な評価を受けている。その不当な評価に対して異を唱えるうちにいつしか、なんというかこう、自分のチョコミントに対する好意を実態以上に評価していないか。チョコミントに対して"判官びいき"をしてやいないか。

例えばある日アイスが食べたくなって、コンビニの冷凍ケースを開ける。爽バニラを手に取りかけて、スーパーカップチョコミントが目に入る。「俺チョコミント好きやし」と思って持ち替え、帰って一口食べる。自分の口が爽バニラの味を期待していたのを自覚し「なんかチョコミントって気分でもなかったな」という気分になる。そんな経験があった気はしないか。自身の嗜好に対する「チョコミントが好きだ」という認知、俗に言うメタ認知の歪みが、意思決定にマイナスの影響を及ぼしているとは言えないか。

 

俺はチョコミントのことがどのくらい好きだろうか。爽バニラと比べたら? サーティーワンのポッピングシャワーとなら? 8月に食べるならガリガリ君とチョコミントどっち? そういえばアイスでないチョコミントってどのくらい好きだった? そもそも好きってどのくらいから?

かように深く、深く自己を見つめ直す作業には冷静さが要る。これ以上の考察にはまず心身をスッキリとさせて、糖分を補給したい。チョコミントアイスとかで。

【落ちのない話】ロクヨンのない家庭で育った

chocoxina世代の男子にとって、小学生時代というのはロクヨンと共にあった。

友人の家に集まれば、誰が促すでもなくロクヨンがブラウン管につながれ、集まったうちの数人がその3P、4Pに持ち込みのコントローラーを挿した。マリオ64マリオカートマリオパーティスマブラゴールデンアイ。時にはたまごっちワールドやF-ZERO Xを遊んだ。どの家でもスマブラカービィゴールデンアイの黄金銃は禁止された。chocoxinaはロクヨンのない家庭で育ったので、少し苦い気持ちでその輪に混じった。

スマブラは苦手だった。復帰技を持つキャラをリンクしか知らなかったのでそれしか使わなかったし、そのときうっかり下Bなど押そうものならバクダンの投げ方がわからずたいてい自爆した。スマッシュ技を知らなかったので相手にトドメをさせることはまれだった。

マリオカートはもっと苦手だった。スタートダッシュについてはみな曖昧な説明しかしてくれず一度も成功しなかったし、ドリフトを覚えたのも皆が飽き始めたころだった。レインボーロードを一周する間に5回は落ちた。

ゴールデンアイも大概なものだった。マップ地点など覚えているはずのない自分は主戦場に向かう途中でしばしば道に迷い、誰が設置したかも分からないモーションセンサー爆弾で死んだ。このゲーム中は誰も成績を気にしておらず、どれも馬鹿騒ぎの種になったのは幸いだった。

マリオ64時のオカリナはついぞまともにプレイできなかったし、そのために話題に取り残されることも多かった。そもそも据え置きハードといえば自宅には元祖プレステとSFC(親戚からのお下がりだ)しかなく、それは実家を出るまで変わらなかった。

 

今年の三月末、実質十数年ぶりの据え置きハードであるSwitchを買った。

併せて買ったゼルダをプレイしながら友人と感想を語り合い、あれほど苦労した祠の裏技的な解法を聞かされて歯噛みした。人の集まる場所でジョイコンを分け合ってスニッパーズに興じた。本体を持ち寄ってARMSをプレイした。始めて触れるひとにはなるべく簡素に操作の説明をした。今Switchを欲しがっているひとが買えるようにささやかな情報の拡散に努めた。「このハードで出る」という以外なにも知らないゲームの情報を追いかけるようになった。

chocoxinaはいまロクヨンの代わりにSwitchを持ってローティーン時代をやり直しているのである。そんなわけなのでこのところTwitterでやたらとSwitchだARMSだのとうるさいのも多目に見て欲しいという話です。一緒にイカやろ。

【ARMS】なぜお前はグランプリLv4で死ぬのか

よくきたな。俺はchocoxinaだ。おまえはARMSを知っているか? 知っているだと? それは少年サンデーでやっていたほうではないか? あいつは右手にジャバウォックを宿すらしいが、俺はよくしらない。ともかく今俺の右手にはジャバウォックではなく、ARMSのうりょくが宿っている。左手にもだ。

おれは誰にもテキストを読ませる気はないが、今回とくべつにARMSについて語ろう。このゲームが真の男のためのものであるとお前らにわからせてやるつもりだ。

※筆者注:この文章は逆噴射聡一郎先生の文体を過度にリスペクトして執筆されています。氏についてくわしくはこちら(

ダイハードテイルズ所属作家紹介:逆噴射聡一郎 | ダイハードテイルズ

)を御覧ください。

 

ARMSとはなにか?

ARMS・・・それはわりと最近任天堂がはつばいした対戦格闘ゲームだ。 なんか腕が伸びるファンキーな見た目とか、任天堂が出しているとかの理由でパーティーゲームのような印象を受けるが、「対戦」「格闘」というワードには真の男にうったえるみ力があり、事実このゲームはかなり真の男の世界、すなわちメキシコだ。(注:パーティー的なモードも含まれており、ライトに楽しむことも可能です)

俺は発売当時このゲームをナメていた。所詮任天堂がキッズむけに出したお遊びだと思っていたし、発売前の体験会では適当に空中からパンチを撃つだけでミイラや実けん生物を叩きのめすことができた。発売後、グランプリ(コンピューター戦だ)で7段階あるうちのレベル4に挑まなければランクマッチに挑戦できないと知ったときも俺は余裕をぶっこいていたし、真っ先にそのレベル4に挑んだ。そして・・・

「ウオーッ!?」

おれはわけもわからず死んだ。KOをつげる無慈悲な声、ゆうゆうと紅茶を飲むベイブのまなざし、観衆の嘲笑・・・。そういったものが俺をさいなんだ。俺は、泣いた。ここで仮にジョイコンを投げ出していたら今のおれはなかったが、俺はそうしなかった。今でこそ俺はランクマッチという真のメキシコで男を磨いているが、その前に長い復讐の旅に出るひつようがあった。そしてそこで俺は、ARMSが真の男のためのゲームであると理解したのだ。

 

お前はこうして死ぬ

グランプリにおける典型的な負けパターンは、こうだ。試合開始と同時にお前はやみくもなジャンプやダッシュを繰り返し、敵が射程に入ったと見るや空中から安直なワンツー・パンチをくり出す。相手のベイブはお前の右腕をステップで避け、左腕は自分の右腕を当てて相殺する。するとどうだ。相手は左腕を残してお前をにらみ、両腕が伸び切ってガラ空きなお前のボディに冷こくなストレートをあびせる。それを何度も繰り返すうちにお前は凍り、燃え、感電し・・・そして、死ぬ。お前はぶざまな死骸をメキシコの荒野にさらし、犬にさえかえりみられることはない。

ここでお前は3つの失敗をおかしている。両腕を伸ばしてしまったことと、安易にジャンプしたこと、そもそもノープランで先手を取ったことだ。

 

両腕を伸ばすな

ARMSのリングはメキシコだ。お前と対戦相手は真正面で向かい合い、弾が1発しか入らない拳銃を両手に持っている。メキシカン・スタンドオフだ。ARMSにおける腕は拳銃だ。弾切れした銃はリロードしなければ使えないように、パンチを放ったら腕が伸び切るか相手にヒットして、戻ってくるまで使えない。

暴力がうずまくメキシコで、銃を使えない奴はどうなる? 死ぬ。だからお前は、両腕を伸ばして銃が使えなくなる時間をなるべく短くしなくてはならない。これは同時に、両手を出す「投げ」のアクションを極めて慎重に行わなければならないことを意味している。

 

むやみにジャンプするな

お前が今から5秒後、アントニオ・バンデラスに殴られることがわかっていたとする。お前は顔を守るように腕をクロスさせ、地面に脚を踏ん張るだろう。そこでジャンプをしようなどというあほはいない。弾き飛ばされてガードの意味がないからだ。だからARMSファイターも空中でガードはできない。

お前が空中を飛び回っている間は相手のパンチも当たりにくいのでそのリスクがわかりにくいが、真の恐怖は着地の瞬間におとずれる。空中の無防備さと地上の狙い易さ・・・さながらメキシコの荒野の真ん中で歩きスマッホをしながらテキーラで飲んだくれているようなものだ。敵はお前にハンドガンでも、ギターケースのロケット弾でも当てることができる。ジャンプは間合いの調整や緊急回避のために必要だが、そのようなリスクがあることを常に意識しておけ。

 

後の先をとれ

俺が最初に挙げた負けパターンの動きを思い出してほしい。あのときお前を負かした敵と同じ動きができれば、お前は強くなれる。ブチョのように悪どいCPUを相手に全く同じ動きはできないだろうが、一つだけ簡単に真似できることがある。先手を取らないことだ。 試合が始まったら、相手をよく見ながら間合いをはかる。相手がパンチを撃ってきたら、避ける。ある程度離れていればこれは簡単だ。そしてそこからパンチをくり出すことによって、お前は相手より腕を一本多く残した状態から殴り合いを始めることができる。相手には拳銃が一丁、お前には二丁。これはかなり有利であることが知られている。

自分からパンチを撃つときにも、なるべくこの状態を作るように動く。誘われた相手のパンチをがんばって2つとも避けたり、自分の二発目をワンテンポ遅らせたり、逆に早めたりして相手のペースを崩し、2対1、1対0の状況を作るのがいいと思う。Lv4くらいのCPUはあほなので、わりと簡単にペースを崩す。

 

その他

・ガードの存在を常に意識しろ。あるていど相手のパンチが避けられるようになったお前はガードの存在など忘れてしまうだろうが、そのような腰抜けはマスターマミーのビッグパンチやミェンミェンのホットリングによってむざんな死をとげる。ガードで敵のパンチをはじいたしゅん間にLボタンを押すとスキのないダッシュができるので、余裕があれば覚えておけ。

・HPゲージ横の三角のドリトスが黄色く燃えると必殺ラッシュが出せるが、これは確実に当てられそうなときにとっておけ。確実というのは相手が少なくとも片腕を伸ばしていて、特にまだ最大まで伸び切っていないときだ。ラッシュは自分の腕がパンチや投げで伸びているときにも発動できる。

・逆に相手のドリトスが黄色くなっているときは注意しろ。不必要なジャンプをせず、常にガードができるようにしておけ。ガードが出来なくても片手が残っていれば相手のラッシュをステップで避けることができる。

・ラスボスにたどり着くまでにチャージの練習をしておけ。チャージというのはジャンプ・ダッシュ・ガードを出しっぱなしにしているときにたまり、チャージ状態でパンチを当てると敵が燃えたりとかして動きがわりと止まる。詳しいことは攻りゃくwikiでも見ておけ。

・アームの種類は何でもいいが、迷ったらグローブみたいな奴にしろ。リボンガールやバイト&バークが持っているクラッカーみたいな奴はそくどが高いので、相手のスキを見つけたときに当てやすい。

・いいね持ちとプロコンのどちらがいいかだと? 知らん。好きなほうでやれ。行き詰まったら両方試してみろ。

 

そしてお前は真の男になる

ARMSは真の男のためのゲームで、リングはメキソコだ。グランプリのLv4は真ん中らへんの難い度とは思えないほど強く、この記事を読んでもまだクリアできないかもしれない。とくにラスボスはチョー強くて苦戦をしいられる。だがそんなときも「エッ真ん中らへんなのにクリアできない・・・ゲームが下手・・・ブックオフに売ってパラッパラッパーでも買お・・・」などと考えないほうがいい。

ニートレホが強いのは自分の強さを信じているからだ。この記事をここまで読んだお前は真の男を目指していて、業者RTや予測変換にも屈しないし、六本木ヒルズアーロンチェアに腰掛けてバターコーヒーを飲むような腰抜けとも違うはずだ。だからお前も自分を信じろ。辛くなったらグランプリをLv1からこう略してもいいし、パーティーマッチでマトアテに興じてもいい。バーサスモードの中にトレーニングもある(一部のトレーニングはグランプリよりも強いので負けても気にするな)。そんなふうにARMSをエンジョイしたあとでまたLv4に挑戦すると、たしかな上達を実感できるだろう。

そうしてやがてグランプリをクリアしたお前は真の男になる。その先にはランクマッチやLv7といった新たなメキシコが広がっているがそんなことはどうでもよく、まずLv4をクリアした自分を誇るべきだ。そうPRIDE OF MEXICO・・・そして未来へ・・・。