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悪夢で見たエレベーターに乗る

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このやべー角度のエレベーターに乗ってきました

 

 

誰もが悪夢に悩む

いろいろな人が共通して見る悪夢、というのがあるらしい。

数年前のある時期、「歯が抜ける悪夢」を何度も見ることがあったので、すがるような気持ちでGoogle検索をかけたところ、夢占い関連の記事がわんさかヒットした。

歯が抜ける夢 - Google 検索
占いの結果はともかく、ある夢が夢占いの事例集に載るということは、占い師がその夢について何度も相談を受けたということだろう。それを知っただけで「俺だけじゃないんだな」と安心したのを覚えている。


夢占い関係のサイトにはほかにもさまざまな悪夢の定型が紹介されていて、例えば
・何かに追われる
・冤罪を受ける
・叱責される
・暗いところへ落ちる
などが「メジャーどころ」のようだ。読者の方にも、いくつか思い当たる例があるのではないかと思う。

今回取り上げる悪夢も、上で紹介したものほどではないにせよ結構メジャーらしいのだが、果たして共感してくれる方はおられるだろうか。

ええっと、「エレベーターに乗る夢」なんですけれども。

 

 

エレベーターの悪夢とはf:id:chocoxina:20170319001931p:plain

(これから、人に聞かせる話として最大のタブーである「自分が見た夢の話」をさせて頂くんですが、どうかほんの少しだけ我慢してついてきて下さい)

 

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――見覚えのないエレベーターに乗った状態から夢は始まる。


――そのエレベーターはガラス張りになっている。外は漠然とした「街」であったり、工場の中や荒れ野だったりする。


――エレベーターは自分の操作を待たず勝手に動き出す。それはただ上昇するだけではなく、地面と平行に動いたり、うんと大きくジャンプしたり、建物や地形をなぞるように動いたりする。その予測不可能な動きや、どこへ連れて行かれるか分からない状況が、えも言われぬ恐怖を呼び起こす。


――そうして乗客を思うさま振り回しているうちにエレベーターは止まって、目的地(謎の団地や、昔のガールフレンドの家や、実家の周りの住宅街)に俺を放り出す。


――その目的地に、何かしらのトラウマを想起させられるうち、夢は次第に輪郭をおぼろにしていく――

 

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(お付き合いいただきありがとうございます。口直しに空でも眺めてください)


重ね重ね、読者の皆様には夢の話などしてしまって恐縮なのだが、実はこういうタイプの夢を見るのはchocoxinaだけではないらしいのだ。

 

そのことを知ったのはごく最近、日課のネットサーフィンに勤しんでいたときのこと。

 

 
Twitterでたまたま「水平に動いてから垂直に上がるエレベーター」というのを見かけて、すげえ! これ夢で見たことある! などと感激していたら、

 

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なんだか、他にもそういう意見が続々と集まっている。

マジで? みんなもエレベーターの悪夢見るの? 俺も俺も!

 

「夢で見た感じのエレベーターが実在する」「しかもその夢を見ているのは俺だけではないらしい」という2つの興奮がないまぜになって、気づけば仕事そっちのけでエレベーターについて調べていた。

上記の動画はどうもイタリア(?)の工場で撮られたものらしいのだが、同じくらい変わったエレベーターが日本にもあるらしい。


やっべ、行こう。

 

 

エレベーターに乗りに山梨まで

新宿からまずは京王線か中央線で高尾まで、そこから中央本線に乗り換えて四駅。都合一時間少々で今回の目的地である四方津(しおつ)駅に到着する。

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レトロで可愛らしい佇まいの駅

 

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初めて使う自撮り棒を警戒している筆者

 

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駅周辺はご覧の通り山あいののどかな町で、旅馴れていない筆者からするとこの段階で既に夢っぽい。今夜の夢はトトロの世界かな? という感じだ。

 

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名所案内を参考にこのままハイキングと洒落込みそうになったが、今日の目的はエレベーターである。

 

 

で、そのエレベーターというのは、四方津駅から北に、案内板などに従って歩道橋を2分ほど歩いたところにある。

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この画面両脇の

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これ!


のどかな駅周辺から徒歩2分でこの近未来っぷり。それこそ夢みたいな唐突さである。


駅から本当にすぐの所にあるこの施設は、名前をコモア・ブリッジといい、山の上にあるニュータウンコモアしおつ」にアクセスするための通路となっている。
肝心のエレベーターは見ての通り斜めに、山の斜面に添って動くタイプで、こういう形式のものを機能そのままに「斜行エレベーター」というらしい。

 

(ところで、1枚目の写真の真ん中にでんと構える超長いエスカレーター。こちらも大変気になるところだが、

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訪問した際は修理中だったのか、乗ることは叶わなかった)

 

 

ともあれエレベーターを見ていく。

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まずはドア部。見切れた画面左側のボードに昇降ボタンがある。

通常のエレベーターでは階数を表示することが多いドア上部は、20mきざみでエレベーターの大まかな位置が表示されるようになっている(そう、このエレベーターは全長200mもある!)。

 

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内装はドアと同じスカイブルー。長めの搭乗時間をつぶすためにテレビがついていたり、天井がお洒落なアーチ状だったりと「しつらえが良い」という言葉がしっくり来る。全体としてはほんのりレトロなたたずまいで、ビビッドな水色が上品にまとまっている印象だ。

 

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「下」「上」という、あまり見たことのない行き先階ボタン。

 

こうして内装の写真を撮りまくっていると、程なくエレベーターは動き出した。
それに気づいてガラス張りの後方を振り返ると「ああ、これだ」という思いがした。待ちわびた悪夢だ。

 

 

夢にまで見た 

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エレベーター独特の浮遊感のある乗り心地と、慣れない方向に動く景色が、少しずつ現実味を失わせる。

 

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自分の元いた場所を眺めると、景色がフラクタルのように遠ざかる。「どこか知らない所へ連れて行かれる」という感じがする。そういえば俺は、この上がどんな場所だか知らない。

 

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備え付けのテレビからはうっすらとニュースキャスターの声が聞こえ、けぶったガラスの向こうからは淡く日が差す。例えばよく晴れた休日、居間のソファでまぶたを薄日に照らされながらうたた寝したら、こういう夢を見るだろうな、と思う。

 

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ドア越しの景色。さまざまな角度の柱が、さまざまな距離感で視界を通り抜ける。傾いているのは地面か、柱か、それともこのエレベーターか、少しずつあやふやになってくる。

録画を切った直後、レールの継ぎ目かなにかに躓いたエレベーターが、小さくがこん、と揺れた気がした。それとも、揺れたのは自分自身だったろうか?

 

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――そろそろ時間感覚すら失われようかというとき、エレベーターは上階に到着した。

 

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上階のホールにはコモア・ブリッジの模型が展示されていて、それを眺めていると「そうか、俺はさっきまでこれに乗っていたんだな」と、主観的な体験と客観的な事実とがようやく繋がったように思えた。

 

 

予期せぬ白昼夢、コモアしおつ

さて、いい体験ができたしもう帰ってもいいんだけど、せっかく上ってきたんだから、と、軽い気持ちで「コモアしおつ」にくり出したのだが。

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そこはおおよそこんな感じの、ごくごく普通の住宅街だった。


普通の住宅街。

確かにその通りだったのだが、それを見るchocoxinaの心中はどこか穏やかでなかった。

家々の淡い色の壁や、よく整えられた庭などを眺めながら散策するうち、無視できない違和感が胸に澱(おり)をつくるのを感じた。

 

・・・なぜ俺は「こんなところ」に? 

 

思い出して欲しいのだが、chocoxinaはほんの数分前まで山の中にいたはずだった。

それが、たかが数分エレベーターに乗ってぼんやりとしていたら、いつの間にかこんな小綺麗な住宅地にいる。

 

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ギャップがすごくないすか

 

自分の脳がこの脈絡のなさについて来られないのを感じながら、俺は確かに自分の意思で来たはずのこの場所を、どこか「迷い込んでしまった」ような気持ちで歩いた。


また、この時感じた違和感には別の事情もあって、この家々の外壁の色味や、軒先の植え込みのちょっと気の利いた感じ――これが私事で恐縮なのだけれども、実家の近所の住宅街にそっくりなのだ。

 

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(夢の話に続いて伝わらない話で恐縮です。改めて空でも眺めてください)


ともかく、この時のchocoxinaにしてみれば、トトロの世界のような山の中から、近未来施設の悪夢エレベーターに乗って、パラレルワールドの実家に迷い込んだようなもので、それこそ風邪をひいて夢でも見ているような気分だった。

 

(ちなみに、あとで調べてみたところ、このコモアしおつの戸建て販売が開始されたのは1991年とのこと。その前後に開発された住宅地やその近所に住んでいる方なら、このときchocoxinaがコモアしおつに感じたデジャヴを共有していただけるのではないだろうか)

 

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混乱を収めるためというか「ここなら何か変わったものを売っていて、それを見たらデジャヴからは開放されるかも知れない」というような気持ちで入ったスーパーマーケットもやっぱり普通だったので

 

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完全に目的を見失って「おひるごはん」「おやつ」「普段から集めてるシール付きウエハース」と、うっかりガチの買い物をしてしまった。

 

 

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また、訪問したのが土曜日の昼下がりだったこともあってか、出歩いている人が少なく、生活音が全くしなかったのも夢っぽさに拍車をかけた。

たまに聞こえる音といえば、数分ごとに大通りを通る車のエンジン音や、春先の風が植え込みを揺らす音くらいで、それ以外は文字通り白昼夢のような静寂だった。歩きながらさっき買ったウエハースを一口かじると、ばりりっ、と場違いに大きな音が響いて、思わず身をすくめるほどだった(それでも結局、中身のシールが気になって3枚全部食べた)。

 

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本筋とは全く関係ないんですが、その時のシールです。

 

 

夜の斜行エレベーター

さて、その後は

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夢っぽいというよりもむしろレトロなRPGっぽい立て看板を見つけたり

 

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今まで見た「プラザ」の中で最も小さいやつを見つけたり

 

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地元の飲み屋さんで一杯引っ掛けたりしているうちに日が暮れてきたので、そろそろ帰ることとしよう。

帰りはもちろんコモア・ブリッジの斜行エレベーターを使う。

 

夜の斜行エレベーターは、特に下りともなると、昼のそれに比べて圧倒的に悪夢感が増す。

 

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"暗いところへ落ちる夢や何処までも落ちる夢は、あなたが抱えている問題の根が深く、どんなに頑張っても解決しそうにないことを暗示しています。"

 

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" 死に直面していたり、死ぬことへの恐怖を抱えている場合もあります。"

 

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"悲観的にならず視点を変えるなど大胆な発想の転換が必要です。信頼できる人に相談するのが良いでしょう。"

落ちる夢・落下する夢の夢占い - 夢の夢占い

 

この夜、chocoxinaは案の定エレベーターの悪夢を見ましたが、皆さんはそうならないよう祈っています。あれ結構怖いので。

 

 

後日談

ちなみに、記事中では夢っぽい夢っぽいと書きつつも、訪問時はさすがにもう少し意識もはっきりしていたつもりだったのだが、今になって当時の写真などを見返すと

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メモをとる際に「エレベーター」を書き損じる

 

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「これはかなり夢っぽいぞ!」と思いながら全然夢っぽくない信用金庫の写真を撮る


など、結構ガチの夢うつつになっていた形跡があった。やっぱり寝てたのかも知れない。

undertaleのプレイヤーって「決意そのもの」なんじゃないの、という話

undertaleにおいてややこしい、あるいは意図的にややこしくされている、プレイヤーと、あるキャラと、あるキャラの関係について、自然な仮説をいくつか立てることで統一的に説明できないかという試みです。当然undertaleのネタバレを多分に含むため、これからプレイする予定のある人はさっさとプレイしてきてください。

 

 

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仮定1.undertaleにおいて、人間の「精神」にあたるものは「SOUL」と「決意」に分けられるようだが、ここにさらに、独立して「記憶」が存在すると仮定する。精神がその三要素のみからなるならば、まったく同じSOULと決意と記憶を持った存在は、少なくとも精神面でまったく同じ人間である。

 

仮定2.SOULには色以外の区別がないと仮定する。つまり、同じ色のSOULが二つあり、どちらも決意や記憶を含んでいないなら、その二つは全く同じものであり入れ替え可能であるとする。逆説的に、SOULの色の七種より細かな人間の個性は、決意と記憶が司る。

 

仮定3.決意は、その名の通り人間の意思決定と相関関係があると仮定する。ここでは仮定としたが、言葉の意味からしてごく自然な解釈だろう。上に進む、下に進む、見逃す、殺す、などの選択が決意を、また決意が選択を変化させる。この相関はゲーム上の描写としても見られる。

 

補題.前二項は、ゲーム中単に「決意」と呼ばれているものにそれぞれ何らかの質的な違いがあることを示す。

 

 

 


・プレイヤーはFriskを操作することができる。これはFriskにあなたの決意が宿っているからだと説明できる。あなたは「Friskに宿る決意そのもの」としてFriskの意思決定に介入するのだ。

 

・つまりゲーム開始時のFriskは「赤いSOUL」「Friskの決意」「プレイヤーの決意」を持った存在である。ゆえに、少なくともゲーム開始時、プレイヤーキャラクターが何者であるか判然としないのだ。

 

Friskの記憶についてはどうか。いったん脱線してFloweyの記憶について考察する。

 

・FloweyはSOULのない存在である。しかしその出自上明確に決意を持ち、またなぜかAsrielの記憶を持っている。

 

・ここで、「記憶というものは、持ち主が死んでも(たとえば幽霊や、作中の人間のSOULのように)ふわふわと存在することができ、『適切な決意を持ち、記憶のない存在』に宿ることができる」と考えられる。AlphysがGolden Flowerに注入した決意は、奇跡的にAsrielの記憶にとって「適切な」ものだったのだ。生前のAsrielと質的に同じだったと言い換えることもできるだろう。

 

・転じて、ゲーム開始時のFriskは記憶を失っていると考えられる。それはプレイヤーの決意が混入した結果かもしれないし、単に落下の衝撃かもしれない。とにかく記憶はFriskから抜け出ていて、プレイヤーの決意を内包してしまったFriskにはふたたび宿ることができない。

 

・さて、このゲーム、最初は適当に、そして2週目以降はFloweyに言われる通りに受動的にゲームを進めることで、Pルートをクリアすることができる。つまり、Pルートをクリアする際には、少なくともGルートと比べればさほど「プレイヤー自身の決意」を要さない。

 

・では、FriskにSAVE能力を与え、最終的にPルートの結末を生じさせるに至ったほどの決意とは何か。Frisk自身の決意である。すべてのモンスターを救う決意(メタ的には、ゲーム全体がプレイヤーにPルートをクリアさせる決意)である。筆者はこれをFriskがエボット山に登った直接の動機と解釈する。

 

・Pルート中、プレイヤーはFriskの決意に寄り添うようにプレイヤーキャラクターを操作し続けたのだ。あなたはゲーム中、Friskの決意を置き換えるほどの決意をどこかで抱いたかもしれないが、それでも結果として「Friskの決意とプレイヤーの決意の総体」は「Friskの決意そのもの」と質的に全く同じになった。「赤いソウル」と「Friskの決意」が揃うことで、Friskの記憶がふたたびFriskに宿ったのがPルートのエンディングである。なのでルートの最後には、FriskFriskとして質問に答える場面がある。

 

・Nルートのプレイヤーキャラクターは、ゲーム開始時から引き続き「赤いSOUL」「Friskの決意とあなたの(曖昧な、もしくは少なくともFriskのそれとは異なる)決意」を持っている。ゆえに何者であるか判然としないままである。ほとんどの機会をあなたの影響下で動いたキャラクターは、どちらかといえば、あなたが名前を付けた、あなた自身に近いキャラクターに見える。

 

・ではGルートではどうか。ここまでの理論を適用すると「Friskの決意」と「プレイヤーの決意」の総体が「Charaの決意」と全く同じものになったと考えられる。そこにCharaの記憶が宿り、赤いSOULと一体となって転生したのである。

 

・Pルートの最終盤、地上に出る直前にFloweyのもとへ行くと、Charaが必ずしもあまりいい人間ではなかったこと、Asrielを利用して人類を滅ぼす算段であったことが示唆される。ただし実際のところAsrielは人間に一方的に責められて帰ってきたわけで、Charaの意思に沿う行動を取らなかったといえる。

 

・ここでCharaAsrielに、ひいてはモンスターに対して愛憎入り混じった感情を持ったものと予想できる。特に、Charaはもともと人間を滅ぼそうとしていたような人間だったことから、一度抱いた憎しみが常識を超えてエスカレートすることは想像に難くない。

 

・あなたの「すべてのモンスターを殺す」決意は、Friskの「すべてのモンスターを救う」決意を置き換えていった。最終的にその決意の総体はCharaのそれと全く同じになるわけだが、その内訳には解釈の余地がある。その決意の中にモンスターへの愛があるかどうか、そしてその愛がFrisk由来かプレイヤー由来かだ。

 

Friskが持つ決意のなかにもはやFrisk由来のものはなく、かつその中にはモンスターへの愛があると解釈するなら、それはPルートの後にGルートに進んだ我々の決意と全く同じだ。

 

・我々といったけれども、筆者はGルート動画勢なんだよなーやっぱやるべきかなー。

「OneShot」で、あなたのNiko君と世界を旅してほしい。

突然なのだけれども、みなさんにはこの「OneShot」というゲームをプレイしていただきたい。

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OneShotは、このかわいいかわいいNiko君を操作して、世界を旅するパズルRPGである。
そして、できることなら、これ以上の情報を一切頭に入れずに(steamのレビューさえ見ずに!)体験してほしいゲームだ。
特に、このストアページに表示されているNiko君のビジュアルや世界観が気に入ったなら、それだけで十二分にプレイする価値がある。このかわいいかわいいNiko君はきっと、あなたにとって特別な存在になるはずだ。

 

それでもまだプレイする気のないあなたに、OneShotの魅力をお伝えしよう

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まずなんたってNiko君がかわいいのである

 

このゲームの何よりも素晴らしい点は、ええっと、一番なによりも素晴らしいのはNiko君がかわいいことなんだけど、その次くらいに素晴らしい点は、「ゲームとプレイヤーの関係」を非常にうまくゲームに利用しているところだ。


プレイヤーにとってPC(プレイヤーキャラクター)とは何か。逆にPCにとってプレイヤーとは何か。プレイヤーはゲーム世界をどう捉えているか。それはPC、またはNPCの捉え方とどう異なるか。そういったプレイヤーの価値観が、ゲーム体験を通じてどのように変容するか。その関係性をうまく利用し、ときにはゲームの側からその関係を揺さぶってくるのだ。

 

大抵のゲーム、特にRPGにおいて、プレイヤーとPCの関係というのは意図的に、あるいは仕方なく曖昧にされている。

 

例えば重厚なストーリーのJRPGをプレイするあなたは、間違いなく自分ではない、確固たるパーソナリティや名前を持ったPCを操作しながら、自分自身がどこか蚊帳の外にいるような感覚を覚える。
逆に、無個性で感情移入しやすい「あなた自身としてのPC」を操作しているときのあなたは、「自分自身が行いたいこと」が「ゲームのお約束」で出来ないようなとき(例えば、たかが木一本で遮られているだけの道が通れない、とか、あのシーンでエアリスを突き飛ばせない、とか)に、自身がゲームの外側にいることを自覚させられてしまう。

 

OneShotでは、ちょっとした舞台設定の妙と、それを存分に活かす様々なギミックによって、「ゲーム世界に『あなた』を存在させながら、ゲームへの没入感を損なわない」ことに成功しているのだ。

 

この仕組みについて、OneShotのネタバレを避けながら説明するために、なるべく様子の異なるゲームを例に挙げよう。「Ingress」である。

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ポケモンGOの会社がやってるアレだ

 

Ingressのプレイヤーキャラクターは、間違いなく「あなた自身」だ。
Ingressの世界は現実世界にオーバーレイするように広がっていて、プレイヤーは実際に現実世界を歩き回ってゲームを行う。
Ingressの世界にはXMという作品世界の根幹をなす物質や、それに関する魅力的なアイテムや設備、研究機関や陰謀、それに関わる人々など、綿密に設定された世界が無限に広がっている。
ただし、「あなた」はそういった世界に「スキャナー(アプリのこと)」を通じてしかアクセスできない。

 

こういったかたちの舞台設定は、プレイヤーをゲームに没入させながら、プレイヤーがぶつかるゲーム的なお約束について、「それはあくまでも、あなたが世界と接するインターフェースの問題だ」というふうに、ゲームの内側から説明を与えてくれる。
Ingressの世界がところどころいかにもゲームっぽいのはあくまでも持っているスキャナーの問題で、本当はもっとシリアスなのだ、と説明できるために、ゲーム世界そのものについては余計なフィクション性を感じさせずに済むというわけだ。

 

OneShotにおいても、「あなた」と「ゲーム世界」の間には隔たりがあることがゲーム内部の言葉で説明される。しかし、これによってプレイヤーは逆説的に「このウィンドウの中には、確かに世界が在る」という感覚を強固にし、またOneShotはその枠組みをフルに使って、ちょっと他では思い当たらないゲーム体験をプレイヤーにもたらしてくれる。

 

OneShotをプレイするあなたは「あなた自身」にかなり近い存在として、Niko君、つまり、あの猫耳猫目で萌え袖で褐色の超絶かわいい少年であるところのNiko君と、さまざまな形で協力しながら謎を解いていく。それによってあなたは、いや「あなた自身」は、Niko君との間に、テキストで描写される以上の特別な関係性を感じることだろう。これがOneShotの大きな魅力だ。

 


さて、一つ伝え忘れたこととして、このゲームは全編英語で、有志による日本語パッチも存在しない。

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伝え足りないこととして、Niko君はかわいい


しかし、ここまでで興味を持ってくれたのであれば、その障害を乗り越えてでもプレイする価値があると保障しよう。
最近はGoogle翻訳も優秀になってきた(カメラで撮影するだけで翻訳できるのだ!)し、どうしてもわからなければ、和訳をまとめてくれているページもある。


(あなたがスケベ心でプレイ前にネタバレを踏まないようあえてリンクしないが、「Oneshot 適当和訳」で検索すれば出てくるはずだ)


最後にもう一度Steamへのリンクを貼るので、あなたがもし、少しでもこのゲームに興味を持っているのであれば、もうつべこべ言わずポチってしまうことだ。

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プレイにあたって諸注意

最後に、OneShotoをプレイするにあたっての諸注意を以下に記す。
ゲームのダウンロードが完了したら、SteamのPlayボタンをクリックする前に、ほんの一呼吸おいて内容を確認してほしい。手間をとらせる代わりに、よりよいゲーム体験を保証しよう。

 

・初回プレイは、3時間くらいまとまった時間が取れるときに行うべきだ。絶対に。
・上で紹介した和訳は「ゲームが一区切りついたときに、そこまでのプレイを振り返る」ような形での使用をオススメする。かのサイトはデータベース的なものであって構成がストーリー進行に沿っていないので、思わぬネタバレを踏む可能性が高い。
・PCのユーザー名に全角文字を使っていると序盤で若干バグるので、特別事情がなければこの機会に変えてしまおう。なおそのままでも一応ほぼ支障なくプレイはできる。
・フルスクリーンではなくウインドウモードでのプレイを推奨、なのだけれど、画面があんまりにも暗い序盤や、高解像度ディスプレイを使っている場合などは適宜使い分けを。ただ繰り返す通り、原則ウインドウモード推奨である。
・ゲーム中頻出する"phosphor"という語はここでは「燐光体・蛍光体」の意で、世界観の根幹をなす要素になっている。読解の参考まで。

2000円の3Dペンを買って二歳児に戻った話

アキバのヨドバシで、知らないおもちゃを見つけた。

売り場で一目見た途端、その場から動けなくなって、舐めるようにスペックを見て、でも買ってはならないような気がして、一度冷静になるためにトイレに入って、用を足したら一直線に売り場に戻ってまた箱を食い入るように見た。大の大人が、たかが2000円のおもちゃを前にしてだ。

今回は、そうやって買ったおもちゃが滅茶苦茶楽しかったというだけの話をします。

 

3Dドリームアーツペン

そのおもちゃは、3Dドリームアーツペンという。

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3Dドリームアーツペン|商品情報|メガトイ|メガハウスのおもちゃ情報サイト

樹脂で平面に絵を描いてからライトでじっくり硬化させて、そうして作ったパーツを立体に組み上げる、という遊び方をするものらしいのだが、ペン先に別売りのライトを付けることで、描いた先から樹脂を硬化させて「空中に絵を描く」ような使い方ができる。

 

一目見たときに「やべえぞこれは」と思った。3Dプリンターが市場に出回り始めたころに流行った「3Dペン」そのものだ。

 

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空中に絵を描ける世界初の3Dペン 「3Doodler」公式サイト|ナカバヤシ株式会社

このサイトの3Doodlerは14000円、ヨドバシで見つけた3Dドリームアーツペンはペン一本とライト一つで2000円程度。圧倒的に安い。

しかも売り場には、

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こんな作例まで展示されているのだ。

これは凄い、最近の子供はこんなハイテク玩具で遊んでるのか、欲しいな、2000円だし買うか、と、そこまで思いを巡らせたところで、ふと「ここは一旦冷静にならなければ」と思い、あわててトイレに逃げ込んだ。

 

たかが2000円の衝動買いで何を大袈裟な、とお思いだろうが、その理由を説明する前に、ちょっと身の上話をさせて頂きたい。

 

 

クリエイティブなおもちゃは怖い

chocoxinaの最近の悩みとして「老い」が怖い。

たかだか20代の若造が何を、と人生の諸先輩方は笑うかも知れないが、これは、かつては出来たことが少しずつできなくなり、かつてはきいた無茶がだんだんときかなくなってくる、という現実に人生で初めて直面した自分の素朴な本音である。

 

その中でも特に怖いのが、自分の中から「創造性」みたいなものが無くなっていくことだ。

10代の頃は、やりたい事や作りたいものがいくらでもあった気がするのに、最近はまったくそういったモチベーションが湧いてこない。

 

今もし、無数のレゴブロックが目の前に積み上げられているとして、そのブロックで何を作るか? 時々そう自問して、その度にため息をつく。作りたいものが何も思い浮かばないのだ。

 

そんなわけで、3Dドリームアーツペンを買うのが怖くなった。

アイツは「さあ、何でもすきなものを作ってごらん!」と我々を迎えてくれるようでいて、その実「いったい俺で何を作ってくれるんだ?」と創造力を試してくる。

もし、アイツを買って何も作れなかったら。考えるだに恐ろしかった。想像の中の「レゴブロックの山の前で立ち尽くす自分」が現実のものになって、老いた自分と真正面から向き合うことになるからだ。

 

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老いを恐れるchocoxina(イメージ)

 

やはり買うのはやめようか、と思いながらトイレから出て、やはり最後にもう一目だけ見ようと売り場に戻ってみたが、そのおもちゃは変わらず魅力的だった。

何を作るかはともかく、このペンで空中に線を引いて、出来上がったものを触ってみたい、と思った。こんなに何かが欲しくなるのは数年ぶりだった。

頭の中で発展性のない問答を繰り返して、最終的に、最低限のセット(ペン一本とライト一つ)だけを買って帰った。

 

長々としみったれた話をしましたが、以下たのしいおもちゃレポートになります。

 

 

こういうおもちゃです

さて、このペンとライト。

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画像右のペン本体は修正液のようなタイプで、蓋を兼ねたペン先を少し緩めてから本体の膨らんだ部分を押すと、ニュルニュルとインクが出てくる。ここの押し加減で出てくるスピードを調整するようなイメージだ。

そこに画面左のライトをはめると、このようになる。

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LEDが3つペン先に向けられており、ペン先から出たインクをただちに硬化させるようになっているのだ。

ちなみにこのライト、ONにするといかにも「紫外線とか含んでます」的な青くて強い光を放つ。

テーブルに跳ね返った光でさえ、凝視すると目の奥にズン、と来るような感じがあり、多分あまり目にいいものではないだろう。注意書きにも「長時間作業しないように」とある。

 

ともかく、こうして完成したものを見てみると、笑っちゃうくらい単純である。

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ダライアスに出てきそう

 

普通の3Dペンなら、大仰なペン本体の尻から長いフィラメントを挿し入れ、ACアダプタもつなぎ、スイッチを押して本体内の複雑な機構で送り出し、先端でヤケドしそうなくらい加熱してやっと樹脂が出て来るというのに、こちらは「絞り出してから、光を当てる」だけだ。

こんなんで空中に絵を描こうというのか。このあと半信半疑で線を引いてみたわけだが、これがもう、すごかったのだ。

 

線を引くと、線が引ける

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その辺にあったマカダミアナッツチョコの箱に、柔らかいままの樹脂で土台(チョコの左上のとこ)を作ってから、ライトを点けた本体を強めに握って、土台を起点に真上にすっ、と引く。

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!!

 

このときchocoxinaが受けた衝撃、画像で伝わっただろうか。

いや、伝わるものか。

 

読者の皆様には「チンアナゴの霊」みたいなものがマカダミアナッツチョコの箱の上に立っている画像しか見えていないだろうが、これは、俺が、たしかに、空中で、引いた、線なんですよ。

 

 

伝われ、この感動

ペンを握り込むと、ペン先にインクが滲む。

滲んだインクはただちに硬化してもとの場所にとどまり、動かされたペンは硬化した樹脂から離れていく。

硬化した樹脂とペン先の間には新たににじみ出てきたインクがつながっていて、それもまた直ちに固まる。

このサイクルが目にも留まらぬスパンで繰り返され、インクの排出(握り込む強さ)と動かす手の速さが釣り合ったとき、そこには「空中に線を引いている」というひとつながりの知覚が生じるのだ。

 

すっ、とペンを動かすと、何もない空間にすっ、と白い線が生じる。これだけのことがただ楽しい。

 

そこからはもう猿のように線を引いた。

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たまたま部屋に落ちていた安全ピンをおさかなさんにしてみたり

 

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なんとなく描いた三角形をなんとなくどんどん繋げて、何らかの構造を作ってみたり

 

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なんとなく思い浮かべた文字(しもネタ)を空中に書いてみたり

 

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もはやなにか計画するのもまどろっこしくなって、思いつくままに線を引いたりした。

 

この楽しさをどうにか人に伝わるように説明するなら「ものすごくレスポンスのいいペンタブを触ったとき」の感動が近いだろうか。しかもそれが三次元に描けて、後には触れられるものがその場に残るというオマケまである。

 

また、自分が滅茶苦茶に線を引きながら想像したのは「初めてクレヨンを握った幼児」の気持ちだ。

 

握り心地のいいカラフルな棒を紙に押さえつけて、ぐいっと動かすと、紙の上に鮮やかな線があらわれる。

きっと幼い我々はそれだけのことが楽しくて、ただ画用紙を真っ赤に塗りつぶしたり、床や壁に色とりどりの素敵な線を生じさせたりしたのだろう。

3Dドリームアーツペンを握ったchocoxinaの気持ちは完全にそれだった。だって、線を引くと、線が引けるのだ!

 

 

クリエイティブはこわくなかった

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改めておさかなさん。どう見ても二歳児の所業だが、27歳児の作である。

 

この玩具を購入する前の自分は「これを使って、なにか意味のあるものを作れなかったらどうしよう」と思い悩んでいた。

それが今や、無限のポテンシャルを持つおもちゃでわざわざなんの意味もない線を引いて喜んでいるし、そのことに関してなんの負い目もない。

 

子供がレゴブロックを手に取るときだって、今のchocoxinaと同じような気持ちだろう。

色とりどりのブロックをぱちん、と嵌めると、ブロックは嵌めたとおりの形を保ち、そのことがただ楽しい。そうやって気の赴くままにブロックを組み上げるうちに、そのカタマリが家や車や動物やモンスターに見えてきて、イメージ通りに組み上げたいという欲求が湧いてくる。

購入前のchocoxinaの「何を作るか思いつかないから、買わない」という考えは、そもそも順序が逆だったのだ。

 

3Dドリームアーツペンはchocoxinaを二歳児に戻してくれた。

ペン先がつまりやすいとか、固まってないインクが手につくとやたらベタベタするとか、欠点も少なくないおもちゃだが、これからも折に触れて触るだろうと思う。

触っているうちになにか作りたいものが思い浮かんでも、なにも思い浮かばなくても、大した問題ではないわけだし。

高収入ミュージック・シーン雑感 Tokyo2016下半期

高収入ミュージックとは

繁華街を歩いていると、どこからともなくダンサブルな音楽が大音量で流れてきて、自然と身体でリズムをとってしまった経験はないだろうか。

それはときに、女性向け高収入求人サイトの広告トラックが流すものであったり、さまざまな店の店頭で流れているものだったりする。

今回はそんな音楽たちを「高収入ミュージック」と名付け、代表的なナンバー(タイトルに反してリリース年月日を限定しない)を紹介していきたい。

きっと誰しも、ほとんどの曲を耳にしたことがあるだろう。


Vanilla


【中毒注意】求人情報サイト バニラ 【テーマソング】

 


求人バニラの宣伝トラックから流れるBGMが歌詞が変わって新曲になった?


高収入ミュージックを語るうえで、外すことができないのがこのナンバーである。
東京、大阪、名古屋――昼間の繁華街を歩いたことのある人なら、誰しもこのトラック※1

「バーニラ♪バニラ♪バーニラ求人♪」

というフレーズを耳にしたことがあるはずだ。
飲み会のコールのようにサイトの名前を連呼する華やかな女性ボーカルと、アッパーなテンポの四つ打ち※2
そのすべてがリスナーのテンションを否応なくアゲにかかり、広告トラックの周りは一瞬にしてチャラ箱※3と化す。
またこの楽曲は、年を経るごとに歌詞やアレンジが少しずつアップデートされているらしい。
現在の地位にあぐらをかかない、王者の貪欲な挑戦心が垣間見える。

 

※1:楽曲の意。「ナンバー」との使い分けはほぼニュアンスである。

※2:バスドラムが一定のリズム(1小節に四つ)で鳴るタイプの音楽や、そのリズムのこと。

※3:クラブ(ディスコ的な店)のうち、かかる曲や客層がチャラい場所のこと。

 

まるきゅーも


まるきゅ~も@歌舞伎町


Vanillaと並んで高収入ミュージック界を代表するトラックがこのまるきゅ~もだろう。
数年前は、後で紹介するmanbooのようなサンバ的な雰囲気のオリジナル楽曲を使用していたまるきゅ~もだが、近年はこの動画のようにクシコス・ポストの替え歌を使用している。
運動会でおなじみの軽快な楽曲をさらに高速にアレンジしたこのチューン※1は、Vanillaとは違ったベクトルでリスナーをアゲることに成功している。
都会の喧騒を速足で駆け抜けるうちに、いつしかその足取りがリズムに乗ってしまうような魅力を持ったナンバーだ。


また、まるきゅ~もといえば、広告トラックや看板で「ジャケ」を上下逆に設置する独特のスタイルが印象的だ。
道行く人がみな「あれはなんだ?」と思い、ある人はシェアし、またある人はGoogle検索する。
プロデューサーの抜かりない広告戦略が光る。

 

※1:楽曲の意。少なくともchocoxinaは完全にニュアンスで使い分けている。

 

15navi

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※こちらの楽曲はぜひ現場で体感してほしい(いい動画が見つからなかったので)


近頃高収入ミュージック界で存在感を増しているのが15naviだ。

「いっちごっなっびっ♪(バイバイトっ♪)」
と、過去に例のない程露骨にフェミニンに寄せた歌声と、これまでのアッパーなトラックたちとはかけ離れたポップな曲調。
この「かわいらしくもアガらない」曲は、これまでの高収入ミュージックとは違うリスナーにリーチしただけでなく、彼らの主戦場であるストリートにおいて我々の思いもよらない効果を発揮する。


これまでの「アガる」高収入ミュージックたちは、曲のビート感を重視するため、楽曲の多くの部分が「低音」で構成されるのだが、低音というのはほかの音にかき消されやすい。
一方15naviの曲はその多くの要素が「人間の声」に近い周波数で構成されており、都会の喧騒の中では抜群の聞き取りやすさと、それによる音量感をもたらす。
町中で15naviのトラックを見かけた際には、ぜひそのサウンドの圧を感じてほしい。
あの広告トラックが通るたび、オーディエンスの耳はジャックされ、世界はイチゴ色に染まる。
15naviは間違いなく今後のシーンをけん引する存在となるだろう。

 

 

manboo


マンガ喫茶「マンボー」の歌


さて、ここからは求人サイト以外のアーティストによるトラック、通称「店舗系」のナンバーを紹介していく。
女性専用マンガ喫茶という特殊な業態を広告するために作られたこのナンバーは、店舗系に共通する特徴として
「求人系」と比較してよりメッセージフルでボリューミーな歌詞をもつ。
「楽しさも抜群♪居心地も抜群♪日本一マンガ喫茶♪女性専用マンガ喫茶♪」
リズムに合わせて口ずさむうち、男性である筆者が今後入ることのないmanbooについて、自然と好印象が刷り込まれていく。
ところで、このmanboo、実は今回紹介する高収入ミュージックの中ではトップクラスのクラシックにあたる。
サンバを彷彿とさせる軽快なリズムに、シンプルな展開、そして底抜けに明るい女性ボーカル。
高収入ミュージックの基本ここにありといった佇まいで、その軽やかな曲調に反し、どっしりとシーンに腰を据える。

 

 

ロボットレストラン


Outside Robot Restaurant in Shinjuku


東京、特に新宿の高収入ミュージックシーンにおいて無視できない存在感を示すロボットレストラン。
巨大ロボットと職業ダンサーが織りなすド派手なパフォーマンスがみられる唯一無二のレストランであるが、そのトラックも相当に個性的だ。
まず印象的なのはトランシーなキック※1とパーカッションが絡み合った複雑なリズム。
曲中にはmanbooを彷彿とさせるメッセージフルなコールのパートもあるが、いわゆるサビにあたる部分はボーカルのトーンがぐっと抑えられ、他の高収入ミュージックと比べて圧倒的にクールな印象を受ける。


また、彼らの路上ギグ※2で見逃せないのは、何よりトラックにけん引された巨大なロボットである。
あれを一目見れば、誰しも「歌舞伎町に何やらヤバいレストランがあるらしい」と強烈に印象付けられる。
すでに新宿の新名物として定着した感のあるロボットレストラン。そのクールなトラックは、高収入ミュージック界のニューウェイブとなるか。

 

※1:バスドラムの意。キックって言ったほうがなんだかかっこいい。

※2:ライブの意。ここでは広告トラックの巡行を指す。そもそもギグって死語らしいですよ?

 


どりーみんパスポート(めいどりーみん)


めいどりーみん 公式ユニット QSCS (くすくす) どりーみんパスポート 【歌詞付 Version】


東京は秋葉原の高収入ミュージックシーンにおいて支配的な再生数を誇るどりーみんパスポート。
これまでに紹介した高収入ミュージックたちとは違い、明確に「男性」をターゲットにしているためか、こちらもなかなか個性的なナンバーに仕上がっている。
そのトラックは、秋葉原のミュージックカルチャーにおいて特徴的な「電波ソング※1」を踏襲したものだ。
高速四つ打ちに疾走感あふれるシンセサイザー、キュートな声のボーカルに、AメロBメロサビというポップス的展開。
特にBメロは俗にPPPH※1と呼ばれる、アイドルソングに特有の「サビ前のタメ」を意識した展開になっている。
日本人の好みに的確にリーチしたご機嫌なチューンは、秋葉原という街の雰囲気を定義づけているといって過言ではないだろう。


また、めいどりーみんといえば、楽曲に合わせて店頭の客引きメイドが軽快にステップを踏む「超条例的パフォーマンス」も見逃せない。
個性的な街の個性的なトラック。高収入ミュージックシーンの幅広さを象徴するような楽曲だ。

 

※1:この辺の用語の定義や用法については、間違ったことを言っているとインターネット的に怖い目に遭うので、薄目で流し見てください。

 

 

ぼったくりイヤイヤ音頭(嘉門達夫 feat新宿区)


嘉門達夫 ぼったくりイヤイヤ音頭 東京青年会議所 新宿区委員会


最後に紹介するこのナンバーは、高収入ミュージックそのものではなく、高収入ミュージックのカウンターストリームとでもいうべき流れに属する。
この記事の序盤に紹介した「求人系」のナンバーが広告する求人サイトは、主に風俗店の求人を多く載せているわけだが、そういった風俗店の一部が行う客引き、キャッチへの注意喚起を行うためのナンバーがこの「ぼったくりイヤイヤ音頭」である。
「客引きキャッチは絶対に♪ついて言っちゃだめよ♪」
否応なく耳になじむ音頭調の旋律に、嘉門達夫の親しみやすい歌声。ほかの高収入ミュージックとはいささか敵対的な出自を持つナンバーであるが、この曲もまたほかの高収入ミュージックと同じように、普段の街歩きにちょっとした彩りを与えてくれる。
音楽的側面に着目しても、曲調こそほかのどの高収入ミュージックとも異なる「音頭」調であるが、音頭というのはそもそも日本人のソウルに深く根差したダンスミュージックであり、そういった意味では他のアッパーな高収入ミュージックたちと共通したソウルを持つといえる。
音楽に貴賤なし。それぞれの背景を乗り越え、ほかのアーティストたちと手を取り合ってシーンを盛り上げてくれる未来に期待したい。

 

 

最後に

いかがだっただろうか。それぞれがリスナーの耳に残るように工夫され、実際に一度聴いたらなかなか忘れられない魅力を持ちながら、路上での広告という性質上なかなか顧みられることのなかった高収入ミュージック。

リスナーの皆様も、街を歩いていて高収入ミュージックの旋律に気づいたときは、ぜひ少しだけ耳を傾けていただき、youtubeの録音ではわからない、パワフルな低音の響きや、楽曲全体からみなぎるテンションなどを感じてほしい。

あと、業界の偉い人はchocoxinaに生の音声データを売ってほしいです。

無料の牛丼に並ぶのは、本当にコスパが悪いのか?

 

昨年末は、ソフトバンクが「SUPER FRIDAY」と称して、毎週金曜日に牛丼やドーナツやアイスクリームが無料になるクーポンを配っていて、対象店舗ではしばしば長い行列ができていたらしい。

 

で、ニュースでそういった行列が話題になるたびに出てくるのが

SoftBankの無料牛丼に並ぶたくさんの人たちと我々の違いについて | More Access! More Fun!

こういう「並んでまで○○するのはコスパが悪い」的なまったくの正論を述べるブログであり、それを見るたびにchocoxinaはこう思うわけだ。

 

なんかしゃらくせえな。

 

と。

以下はその「なんかしゃらくせえ」を、いかにまっとうな主張っぽく表出させるか、という試みであり、言い換えれば「ああいったブログを見続けることでchocoxinaの心の中に産まれた『仮想のしゃらくせえ奴』との喧嘩」である。

よってどうか、上で挙げたブログのライターさんや「行列には頑として並ばない、コスト意識の高いひと達」も、気を悪くせずご笑納頂きたい。

 

 

 

 0.序

さて、行列とコスト意識に関する議論というのは、簡潔には「並んだ時間と得られた利益の費用対効果」に関する議論だと言い換えられる。

つまり、二時間並んでタダで牛丼を食う行為に対する批判というのは

「120分を支払って380円の利益を享受するのでは、費用と効果が割に合わない」

という主張だといえる。

(人によっては「並んでいる奴らはそこに気づいていないので愚かだ」くらいのことを言ったりするわけだが、そうやって利害関係のない他人を非難することは明らかに非合理的である。そういった非難の是非は今回のコスパに関する考察で取り上げるに値しないので、今後は触れないこととする)

 

この主張について、当エントリでは

「得られた利益は本当に380円相当だろうか?」

「消費した費用は本当に丸々2時間相当だろうか?」

「『2時間払って380円』は、本当に割に合わないのか?」

の三点から掘り下げを試みる。

 

 

 

1.「得られた利益は本当に380円相当だろうか?」

この点に関して異を唱えることは容易い。価値というのは極めて主観的なものだからだ。

 

chocoxina個人を例に挙げると、さすがに無料の牛丼のために2時間並ぶことはないが、10月1日、すなわち天下一品の日にラーメン無料券を得るためであれば、2時間は平気で並ぶ。

天下一品でchocoxinaが2時間並んで得ている利益を箇条書きすると、以下のようになるだろう。

 

・この日に向けてバッチリ備えた店員のテキパキとしたオペレーションや、満席の店内から感じられる活気

・あの油のカタマリみたいなスープを短期間に二度食うことへの精神的なエクスキューズ

天一の日キャンペーンの実質的な効用「ラーメン二食半額」が「一食食うと一食無料」に置き換えられていることによる余分のお得感

・数年に一度当たる謎のアメニティ

・(ありきたりな言い方で読者の目が滑ることを危惧するが)お祭り感

 

特に「天一を月に二度食う理由ができる」価値については筆舌に尽くしがたい。

chocoxinaは「丸一日野菜を食っていないことに気づいたら、野菜ジュースでも何でも摂らないと落ち着かない」という程度に偏った健康意識があるのだが、10月1日に「だってタダ券貰えるし」と言って天一を食い、「だってタダ券の期限あるし」といってまた食うその時は、健康の呪縛から自由でいられる。

深夜に食うカップ麺が普段よりはるかに美味であるように「月に二度目の天一」もまた大いに美味であり、天一の日はそのための背中を押してくれるのだ。

 

だいぶ脱線したが、ともかくものごとの価値というのは「380円で売っているから380円分」と客観的に規定できるものではないということだ。

「苦労して並んでタダで食ってやった牛丼」に価格の何倍もの価値を感じる人がいることは想像に難くないし、それに対してさもしいだとか非合理的だとか言う権利は誰にもあるまい。

実家に帰省しておかんが作ってくれた手料理や、気の置けない友人と食べるピザ。我々は常にそういった、主観的にしか価値のないものをありがたがりながら生きているのだ。

同様に、「俺は牛丼並盛りに大した価値を感じない」という価値観も否定されるべきではない。こんなことは言うだけ野暮であるが、念のため付記する次第である。

 

 

 

2.「消費した費用は本当に丸々2時間相当だろうか?」

体裁上項目を分けたが、ここで言うべきことはそう多くない。

 

スマホタブレットが普及した現代、「ただ並んで2時間消費する」人間などいないのだから、「行列に並ぶコスト」はもっと低く見積もられるべきだ。

「行列に並ぶことは非効率」だと訴える仮想敵たちが「並ぶための時間で他にすべきこと」として挙げがちな、仕事のための情報収集やアイデア出しやある種の実作業。また、それらと比肩して人生にとって重要なゲームなどの娯楽。

そういったものの大半は今や「並びながらできる作業」であって、普段それらの作業のために割いている時間を「作業しながら並ぶ」時間にできたなら、並んだことによって得られる利益は丸々得になるはずだ。

 

「並びながら作業することによる効率の低下」を考慮するにしても、差し引き支払われるコストが「2時間ただ並ぶだけ」に遠く及ばないことは明らかだろう。

※当然ここでも前段の「主観的な価値」の話を適用しうる。「俺はとにかく並ぶという行為が大っ嫌いなんだ」という人にとっては、たとえ何かをしながらでも「二時間並ぶこと」のコストは甚大なものになるだろう。ただし、そういった主張は(ここで為されるほかのあらゆる主張と同じように)あくまで主観に基づいている、ということを自覚する必要があるだろう。

 

 

 

3.「『2時間払って380円』は、本当に割に合わないのか?」

ここまでで十分「『行列に並んでタダで牛丼を食うこと』をコスパの観点から批判するのは筋が悪い」ということは主張できていると思うのだが、せっかくなので続ける。

 

「行列に並ぶことは非効率」だと訴える仮想敵たちがその非効率性を訴える喩え話として、以下のようなものがある。

"

2時間並んで380円の牛丼を得ることは、時給190円の仕事をしたことに等しい。君が普段時給2000円相当で仕事をしているとしたら、その差額分損をしているのだ

"

この一件美しい理論の穴は「普通の人間は、絶えず価値を生み出し続けることはできない」という事実を無視している点だ。

 

どういうことか分からないならば、自問してみればよい。

「今月、自分が倍の時間働いたら、倍の収入が得られるか?」

 

世の中には「それ」ができる人もいるだろうからあえて断言しないが、一般よりやや体力やスキルに自信のない成人男性の実感として言えば、答えはNOだ。

「未来により多く稼ぐためのスキルアップの時間」をとって、見込み増収を時給に換算すれば実質稼いでいるようなものだ、という意見もあろうが、それだって、計算の方法によれども「現在の時給とまったく同じ価値」とはいくまい。人間の時間の価値、もとい「時間と金の変換効率」はもとより非線形なのであって、見込み増収だとかなんとか言って無理やり線形に近似してはかえって理解を損なうだろう。

 

さて、こうして「時間:金変換効率の非線形性」を前提とした上で

「『本来そう多くは稼げない時間だった2時間を、行列に並ぶことで380円に変換できる』ことは果たして言うほど非効率的だろうか。例えるなら、カステラの端を格安でまとめ売りするような利益の創出とはいえないだろうか」

というのがこの段の主張である。24時間働けるタイプの人たちからの批判が怖いのでここは極力さらりと済ませてまとめに入ろう。

 

4.まとめ

以上、こうしてchocoxinaは仮想敵に対して「行列に並ぶことをコスパの観点から批判するスジの悪さ」をありったけの理屈でもって主張した。

 

この記事の執筆にかかった時間は2時間。得られた価値はゼロ。書いてるあいだラーメン二郎にでも並んでおくべきだった、というのが今回の結論である。

【フードチェーンマグネイト】戦略・戦術覚え書き

はじめに

アナログゲーム「フードチェーンマグネイト」の戦略記事っていうか覚書です。以下ご留意の上お役立てください。

・基本的なルールとカード名、あと「初手はトレーナーかリクルーターが強いよね」「100$のマイルストーン強いよね」くらいの認識を前提としています。

・誰かがラジオを打ち始めたら中盤、値下げ競争が起きたら終盤、くらいの認識で書いたつもりですが、いかんせん思いついた先から書いているのでブレます。第一ゲームがそう進まない可能性もあるし。

・本人が書いてるうちの3割も意識できてません。

・そもそもあんまりプレイできてない。

・ガチ勢のツッコミ待ちです。

・未プレイの方はこの記事を見て「なんか難しそうなゲームだな」と思わず一度プレイしてみてください。初プレイでも、序盤躓かなければプレイヤー間の相互作用でピタゴラスイッチ的に勝てたりするし楽しいよ。一緒にやろう。おじさんが丁寧に教えるよ。

 

 

初期配置

ゲームが始まって以降のインタラクションが強烈なゲームなので、この部分の選択がゲームにどういう影響を及ぼしたかを後から量りづらいのだが、個人的に気をつけていることを。

 

・大筋として、家>他プレイヤー>飲料、の順で重視する。

 

・「自分の店が最も近くなる」家が必ず一件以上あるようにする。距離0だとなおよい。

 

・配置の順番が序盤(=第一ターンの手番が後)の場合、グルが取れない可能性があることを意識する。

 

・郵便受けの効果範囲を考慮する(配置によっては序盤の展開に大きく影響するため)

 

・その他の要素が許すなら、マップタイルの境目をまたぐように店を置く(ドライブスルー発動時に有利になるため)

 

・「ボード上の供給が少ない飲料」を重視して配置を考える場合、他プレイヤーから遠くなりすぎないよう注意する(自分かだれかがその飲料の広告で盤面に影響を及ぼさない限り、マイナーな飲料を取る意味がない)

 

・以下の「他プレイヤーの影響を受けにくい戦略」について、それらが今回のマップで可能か、より強い戦略が取れるか、またそれらを妨害できるか、もしくは自分がその戦略を取るか考慮する。ボード上の総需要が少ない3人以下のゲームで特に注意する。

 1.マーケター戦略

  (看板1つで家2件に需要を発生させ、その需要を独占して最速5ターンで100$達成を目指す)

 2.ウエイトレス戦略

  (ウエイトレスを大量に働かせて、5ドル*人数分の安定収入を目指す)

 3.高級化戦略

  (他プレイヤーが進出できない家に対して高値で商品を売る)

 

 

 

銀行準備金

正直あんまりよくわかってない。

 

・自分が何をして勝つつもりなのか、大筋イメージしておく。

 (需要を打って勝つのか、打たせて勝つのか、その他特殊な戦略か)

 

・基本的に、特殊な戦略を取らないなら、ここで適当に入れて、戦術の方を合わせていくイメージ。

 

・ただし、誰かがマーケターやウエイトレスで序盤に勝負を決めに来そうなら、自分が中庸な戦略を取る予定でも300$を入れる。

 

初手:

ここまでですでに決まっているのが望ましい。

何らかの事情で予定が狂ったら、リクルーターでいいんじゃないでしょうか。

 

 

序盤(共通)

・「最初に100$獲得した」のマイルストーンについて「誰よりも早く取る」か「取らない」か方針を決め、取らない場合はCFOの雇用を意識して動く。

 「取る気がないのに取れちゃった」人はかなりの確率で勝つし「取るつもりなのに取れなかった」人は敗色濃厚。

 

 ・自分がテーブルの中で経験豊かな方のプレイヤーである場合、後手番を取る価値が上がる。緩手につけ込んだり、友情コンボで伸びたプレイヤーを叩いたりするため。

 

・フードとドリンクのどちらを作るべきかは良し悪しだが、逃げ切りを狙っていて、バーガーかピザを自分一人だけ作れそうなら積極的に作る。序盤はドリンクからフード、またフードからフードへの切り替えが困難なため、対応する間を与えずに稼げる。

 

・他者を妨害するために広告を打つ場合は慎重に。相手がすぐに供給できる場合、かえって100$達成を手助けすることにもなる。

 

 

序盤(トレーナーオープニング)

トレーナーで管理職見習いを育ててグルにし、ブランド執行役員をはじめとした強力なカードを使う戦略を指す。

 

・ルール上、雇用したカードは即教育できる、つまり、グルかコーチを雇うまでは「教育してから使う予定のカード」を雇う必要がないことに注意。管理職を育てている間にリクルーターを取っておこう。

 

・展開の早いプレイヤーが多いとか、グルの枚数以上のプレイヤーがトレーナーを取ったりとかした場合には、グルではなくコーチを取る路線も考慮する。

 

・仕入れ系のカードを使うときや、広告を打つときは、なるべく手番順で後手を取る(自分が生み出す需要に相乗りされにくいように)。

 

・↑上記を達成するため、またグルの取り合いに勝つために、それ以外の場合はなるべく先手を取る。

 

・他プレイヤーが自分のラジオに容易に相乗りできそうな場合、すぐにラジオを打たずに、相手が給料で消耗するのを待ちつつ新たな仕入れ手段を用意する戦略がある。ただし4人以上プレイの場合「最初にラジオで宣伝した」を取り遅れないよう注意。

 

 

序盤(リクルーターオープニング)

「最初に1ターンで3人雇用した」で増える手数とマイルストーンで戦う戦略を指す。初手トレーナーに走ったプレイヤーがいる場合、自ずとラジオの需要を奪うことに注力する流れになる。

 

・初手トレーナーに入ったプレイヤーがラジオや飛行機を打つ前に、残りのプレイヤーで「最初に○○を宣伝した」マイルストーンを枯らしておきたい。

 

・「最初に100$獲得した」を取らない場合「最初に給料を20$支払った」は必ず獲得したい(マイルストーン効果がないとCFOを作りにくい)。どちらのマイルストーンを取るにせよ、資金繰りにウエイトレスが役に立つ。

 

・金もないのにフードを作ってマイルストーンで来たシェフを即クビにするとか、そういう細かいミスに注意。

 

・初手トレーナーに入ったプレイヤーが仕入れ系のカードを使うときや、広告を打つときに、そのプレイヤーより後手を取り、広告に即相乗りできるようにする。

 

 

 

中盤(共通)

個々のゲームによるところが大きくなる。

 

・相手の商品単価、管理職、供給量に常に気を配る。リストラクチャリング時を除き所持カードについてはルール上いつでも聞いてよい。

 

・戦略外の話だが、ディナータイムや広告、銀行等の処理はなるべく経験者で分担しよう。有限の処理能力を公平に分担し、よりレベルの高いゲームを。

 

・ラジオを打つ場合の効果時間は、「どのくらいの間需要を独占できそうか」で決める。仕入れも値下げも先行できそうなら長めでよいが、そうでなければ短めにして、自分に都合のよい場所や種類で何度も打つ方が得な場合が多い。

 

・逆にラジオを打たないプレイヤーは、打つプレイヤーの動向を見ながら仕入れ系職業を構えつつ、ラジオ無しで黒字が出るよう広告にも注力する。それらを両立するための手数と心得る。

 

・他者の需要を奪う方法として「値引き」と「新規出店」があるが、広域マネージャーの出店は特に強いので注意。単価を下げなくて済む都合上、まず「新規出店」が攻撃的に仕掛けられ、防御的な意味合いで値下げが使われる傾向にある。攻めるにせよ守るにせよ、中盤以降は教育してすぐ使える管理職を保持しておきたい。

 

・相手が値下げや新規出店で需要をかっさらうターンに仕入れ制作系のカードを打つと、ほぼ完全に手損になるので注意。売れないターンを見極めてきちんとしゃがむことができればしめたものだが、そもそも「値下げが間に合わず、需要を奪われる」ことがないよう立ち回れればなおよい。常に後手番を取れるよう意識するとそういった動きがしやすくなるし、なんなら自分から値下げもできる。

 

・新規開拓は強力だが、需要を奪われる可能性がある。特に伸びているプレイヤーに奪われないよう注意。

 

 

 

 終盤

・値下げの激化によって、終了が存外に延びる場合がある。「総需要が◎個でだいたい単価○$、うち△割はCFOで1.5倍」くらいは数えられると有利だと思う。

 

 ・いらないカードを早めに見切ってクビにすることを考える。単価5$まで値下げが進んでいるとき、一人クビにすることは、それ以降1ターンにつき一つ余計に商品を売ることに等しい。

 

 

 

今回はこんなところで。