chocoxinaのover140

ハンドルは「ちょこざいな」と読ませている

中野ブロードウェイの「まるだしスイッチ」を味わう

中野ブロードウェイ」という商業施設がある。

その名の通り東京都中野区にあり、またその名の通り地階に大通りをたたえた、ド古い建物だ。

このほど、そんな中野ブロードウェイに、「あるもの」が沢山有ることを発見したので、今回はそちらについて紹介したい。 中野ブロードウェイに沢山あるものと言っても、「まんだらけ」のことではない。筆者が「まるだししスイッチ」と名付けたものの話だ。

まるだしスイッチとは

その「まるだしスイッチ」は、例えばこのような、駅側入口から入って徒歩10秒ほどの階段にある。

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この通り、何の変哲もない電気のスイッチ。 何がおかしいんだ、と問う人もおられるかもしれないが、このおかしくなさこそが問題なのだ。

この「実家のトイレのやつ」みたいなスイッチが、不特定多数が出入りする商業施設の階段にポン、とある。

不特定多数が出入りするこの商業施設において、階段を照らす明かりや、あるいはもっと他の、我々には想像もつかない何らかの設備をONOFFできるスイッチが、こんなにも「押せちゃう」状態でここに在るのだ。

そんなことがあってよいのか。

思えば筆者は、昔からスイッチやボタンが好きだった。

幼き日、祖母に連れられてバスに乗った日には、「次停まります」のボタンを絶対に押したかったし、見知らぬ誰かに先を越されて泣いたことは一度や二度ではなかった。

テレビで航空機のコクピットなどが映されると、おびただしい数のトグルスイッチをぱちぱちと操作するパイロットの姿にヨダレを垂らした。

今こうしてブログを書いたり、日々の仕事で適当なテキストを書いているのだって、言うなれば毎日キーボードを叩いたり、パソコンのスイッチを点けたり消したりできるからに他ならない。

そんな筆者の前に、こうしてスイッチがある。

これを押せば、きっと階段の明かりが消えるだろう。 そんなことになれば、警備の人にまあまあ怒られるか、そうでなくとも買い物を楽しむお客さんたちにそれなりの迷惑がかかる。 いくら「ボタンっ子」だった筆者といえど、そこまでのリスクは負いがたい。

しかし、だ。こんなにもあからさまなスイッチ、筆者がわざわざ自発的に押さずとも、ちょっと壁に寄りかかったりしたときに、うっかり押してしまうこともあるのではないか?

例えばこんな感じで、と、誰にともなく言い訳をしつつ、筆者はスイッチの脇に立ち、壁にしなだれかかってみた。
しかし、ダウンジャケット越しにスイッチの突起を感じたが最後、身体がこわばり、ジャケットの中がじっとりと汗で蒸れるばかりで、ついぞそれ以上動くことができなかった。

――そんなchocoxinaの逡巡はともかく、今回は中野ブロードウェイにまだまだたくさんある「まるだしスイッチ」について引き続き紹介していく。 年のため申し上げておくが、どれも管理者の許可なく押してはいけない。

case1:階段脇のやつ(Basic)

  • 押せる度:★★★★★
  • 押しちゃダメ度:5+★★☆☆☆
  • マジのうっかりで押しちゃう度:★★★★☆

case2:階段脇のやつ(オールド)

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先ほど紹介したものと同じような場所(階段脇)にあるものだが、一部のものはより古めかしいタイプになっている。
ここから、先ほど見つけたベーシックタイプはおそらく過去に一度換装されている、ということが推察されるし、つまりこれらのスイッチは『死にスイッチ』ではなく実際に使われているのであろうことがわかる。ますます押してはいけない。

  • 押せる度:★★★★★
  • 押しちゃダメ度:5+★★☆☆☆
  • さっきのやつ、改修するついでにフタとかつけといてくれ度:★★★★★

case3:階段脇のやつ(Duo)

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4Fから5F(関係者以外立ち入り禁止)への階段に設けられたもの。ここまで紹介してきたスイッチは恐らく階段の明かりをつけるためのものだろうな、と勝手に思っていたが、一か所に二つあるとなると話が変わってくる。一つは明かりだとして、もう一つはなんだろうか? どれほど気になろうとも押してはいけない。

  • 押せる度:★★★★★
  • 押しちゃダメ度:5+★★★★☆
  • ブザーとか鳴るかも度:★★☆☆☆

ちなみに中野ブロードウェイには、地下1階から地上4階までのショッピングエリアに3つの階段があり、それぞれ各階にこの手のボタンが左右2機ついている。 この「デュオタイプ」をスイッチ2つ分と見做すなら、階段脇だけで33ものまるだしスイッチがある計算だ。

case4: ブレーカー

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中野ブロードウェイの地下にはいくつかのイベントスペースがあるのだが、それぞれ催事で使うための水道などの設備がほぼ剥き出しになっており、何も開催されていないときは容易に立ち入ることができる。当然ブレーカーをパチンとやってはいけないし、水を出してもいけない。

  • 押せる度:★★★☆☆
  • 押しちゃダメ度:5+★★★☆☆
  • 住める度:★★★★☆

case5:電力メーター

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3階にある。
中野ブロードウェイだからとかどうとか以前に、スイッチの付いた電力メーターというものを見た事がなかったのだが、切ると計測が止まって電気代が安くなったりするのだろうか。たぶん素人は押さないほうがいいと思うし、そもそも許可なく押してはいけない。

  • 押せる度:★★★☆☆
  • 押しちゃダメ度:5+★★★★☆
  • 誰が押すやつなんだ度:★★★★☆

case6:自販機

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どこにでもある自販機。「自由に押せるボタン」のありがたみを感じさせてくれる。

  • 押せる度:★★★★★
  • 押しちゃダメ度:☆☆☆☆☆
  • コスト:1push¥110~

case7:警報機周りの謎の設備

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地下1階の天井(低い)の近くに設置されているもの。恐らくは明かりに関するスイッチだろうと推察されるが、非常ベルが近くにあることで更なるスリルを醸し出している。うっかり押したら非常ベルが鳴るとかシャッターが下りるとか、なにやら大層なことが起きるかも知れない。起きないにしても押してはいけない。

  • 押せる度:★★☆☆☆
  • 押しちゃダメ度:5+★★★☆☆
  • 何のスイッチかだけでも教えて欲しい度:★★★★☆

case8:小さな扉

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4Fにある、ちょっとかがんで入らなければならないような扉(?)。典型的なボタンではないが、「おす」と書いてあるだけに我々まるだしスイッチファンの「押したさ」を刺激する。この張り紙は我々へのメッセージではないので押してはいけない。

  • 押せる度:★★★★☆
  • 押しちゃダメ度:5+★☆☆☆☆
  • 何らかのからくりが起動するかもしれない度:★★★★☆

本当に扉だろうか?

case9:スーパーマーケットの中

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どこにでもあるような掛け時計に古びた棚、空調のパネルなどと相まって、強烈な「実家み」を感じさせるまるだしスイッチ。店員さんとフレンドリーに話した後など、去り際に実家と同じような流れで押してしまうかも知れないが、むろん許可なく押してはいけない。

  • 押せる度:★★★☆☆
  • 押しちゃダメ度:5+★★☆☆☆
  • 寝ぼけてたら押すかも度:★★★☆☆

case10:警報装置

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まるだしスイッチを探していると、何気ない警報装置を見ても「そういえば、これも押せるんだよな……」という事実を思い出してしまう。透明な部分を押し破るときって、どんな感触がするんだろうか。非常時以外は押してはいけない。

  • 押せる度:★★☆☆☆
  • 押しちゃダメ度:5+★★★★★★(ただし緊急時は★ゼロ)
  • 本当は何より押したい度:★★★★★

さいごに

以上、chocoxinaが中野ブロードウェイで探し出した「まるだしスイッチ」をいくつか抜粋してご紹介させて頂いた。

押してはいけないスイッチ、押したらどうなるか分からないスイッチをたくさん見せられてストレスがたまった方のため、以下に「何もおきないスイッチ」を置いておくので、好きなだけ押して欲しい。