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良く言えばコラム

水を旨くするラーメン調べ

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 手前が今回のメインです。
 
水が旨い。
学生の頃は、水分補給といえばもっぱら炭酸飲料で、ペットボトルの水などは「なぜわざわざ好きこのんで味のしないものを」と下に見ていた節すらあったのだが、いつからか只の水をことのほか美味しく感じるようになった。
天気の良い日にコンビニで買って飲む天然水や、一汗かいた後にウォーターサーバーから飲むよく冷えた水なども素晴らしいが、一番水がおいしいシチュエーションといえばやはり「ラーメン屋」だと思う。
むせ返るような湯気をかき分けて熱々の麺をわっしわっしと啜ったあと、すっかりラーメン味になった口の中にキンキンに冷えた水を流し込むのだ。
あれって、やはりラーメンの種類によって水の美味しさも変わるのだろうか。調べてみよう。

 


家系ラーメン


なんとなく「やっぱり濃い味のスープを流し込むように飲む水が旨いだろうなあ」と思ったので、知っている中で最も味の濃いラーメン屋に来た。杉並区方南にある「桂家」という店だ。

 

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桂家は俗に「家系ラーメン」と呼ばれる濃厚な豚骨醤油ラーメンの有名店で、東京一に推すファンも多いらしい。
今年の初めごろまで店主の体調不良で長期休業していた上、現在も不定休で門前払いを食らうことも多いため、たまにこうして営業中だとついテンションが上がってしまう。
 
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が、今回はあくまで水を飲みに来たのだ。うやうやしく給水器から水を受け取る。
 
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水と、チャーシュー麺ほうれん草増しと半ライス。水がメインだっつってるのにトッピング2つにライスまで頼んでいる。
 
ともかくも麺を食おう。あくまでもこの後の水を味わう為である。
 
――鶏油でとろりとしたスープをまとって、柔らかめの麺が口に飛び込んでくる。
スープは濃厚だが油に覆われて刺々しい感じはなく、それぞれ強烈な油と旨味と塩気とがひとかたまりになって、舌に重いブローを利かせてくる。
麺を噛みしめるたび、その旨味に身体が反応して唾液が湧き出る。
一枚一枚がうれしい厚さに切られたチャーシューをかじり、よくスープに馴染んだ海苔とほうれん草で半ライスをかき込む。「家系を食いたい」と思ったときに活性化する脳の部位がすべて喜んでいる感じがする。
 
おいしいなあ。
 
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 一応別の日にちゃんと撮ったラーメンの画像もご覧下さい。
 
――と、この通り本筋を完全に忘れるほど美味いラーメンではあったのだが、肝心の「水を味わう」という観点からは今ひとつだった。
口中を支配する濃厚な味と油が、たかが水一杯くらいでは切れてくれないのだ。
給水器の水そのものが、ピッチャーから供されるものほどには冷えていないのも相まって、飲み切ったあとの「水がうめえな!」という感慨はない。「春休み前に転校してきた奴」くらいの印象の薄さだ。

しかしここでも水を飲む利点は確かにあって、例えば麺をひととおり食べ尽くしたあとでスープを残して帰るつもりで水を飲むと、口のなかに残るスープの味が懐かしくなってスープを一口すすってしまい、そこからまた止まらなくなる、という風に、幸福なジレンマを味わうことができる。
この店において、水はあくまでラーメンのおまけなのである(当たり前だが)。
 
家系ラーメン
  • サポート力(水を旨くする力):★★☆☆
  • 飲んだ水の量:1.5杯
  • 水どころではなさ:★★★★
  • 水の飲み頃:スープと交互に少しずつ
 
 
 
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ところで、この日はトッピングたっぷりのラーメンとライスと水1.5杯を接種したあとで、健康に気を使ってトクホ的なお茶を飲んだため、おなかがパツパツになりました。
 
 


天下一品


家系ラーメンが「水のチェイサー」としてはやや不十分だったため、別ベクトルで濃い味のラーメンを求めて天下一品に来た。
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天下一品は京都発祥のラーメンチェーンで、後述する通りとにかく濃厚なスープが特徴的だ。
 
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水と、こってりラーメン

この特徴的なスープを見ているだけで喉が渇く。これは期待できそうだ。
 
――丼に箸を入れると、細目の麺と一緒に粘度の高いスープがこれでもかというほど持ち上がる。
指先にありがたい重みを感じながらすすると、吸い込む空気にまるで色でもついていそうなほどの鶏ガラの臭気が満ちて、むせ返りそうになる。
重さに負けないようにわしわしと麺をすすり、ざらついたスープの中の強烈なうまみに卒倒する。軽快な食感のメンマであごを休めながら、戦うように食う。
 
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そして、そうやって思うさま口の中をざらつかせた後に水を飲むと、これが、すこぶる旨いのだ。
天一のこってり味とざらざら感が綺麗に洗い流されて、清純な水の味が舌を滑る。
ピッチャーから注ぎたての水は、麺をすすり続けて酸欠気味になった脳をキンと冷やしてくれる。瀕死のときに飲むエリクサーはきっとこういう味がするのだろうと思う。
 一杯目を飲み切った後、すぐさまピッチャーに手を伸ばして二杯目を注いだ。これだよこれ、という感じだ。
 
天下一品
  • サポート力:★★★★
  • 飲んだ水の量:2杯
  • 中毒性:★★★☆
  • 水の飲み頃:いつでも
 2件目にしてほとんど正解が出てしまった気がする。天一のように味が濃く、かつ家系ほど油が浮いていないラーメンが水を旨くするのだ。
 
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それはそれとして、この日も前回とは別のトクホ的なお茶を飲みました。効果はともかくお茶の味が濃くて美味い。
 
 
 

汁なし担々麺


さて、もう一軒くらい調査をしたいところだが、三日連続のラーメンはさすがにいろいろ(肌とか肝臓とかに)不安がある。
最後はなるべく体に悪くなさそうなものがいい。例えばスープがなくて、ちゃんと野菜とかが入っているもの。
そしてもちろん味が濃く、かつあまり油っぽすぎないもの。
そんなちょうどいい店が台東区蔵前駅近くにあったので、最後はそこに決めた。近頃話題の汁なし担々麺の店だ。
 
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タンタンタイガーさん

そういえば、そもそも本場中国では汁の入っていないのが普通の担々麺だとかいう話もありますが、今回のメインは水なので些末な話ですね。
 
  
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水と、汁なし担々麺。水だけ飲んでも美味そうなほど写真写りが良い。
 
 
例によってまずは麺を、店員さんに説明を受けたとおりよく混ぜてから食う。

――濃厚なゴマの香りの中にひき肉のうま味、あとはアミエビかなにかの複雑な風味が広がる。クセになるタイプの味だ。
担々麺のキモである唐辛子と花椒はその濃厚さに覆われているようでいて、食べ進めるうちにじわじわと辛い。額の汗腺が開き、舌先が正座した足みたいに痺れる。身体がイレギュラーな刺激に対応しようと活性化するのが分かる。金曜夜の疲れ切った脳に喝が入る。
上に乗ったシャキシャキの水菜が爽やかで、口の中が適度にリセットされていくらでも食べられるようだ。
 
 
そして、この担々麺で口の中をひりひり、しびしびとさせた後の水! これが旨いというか、面白いのである。

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ラーメン屋の水にレモン入ってるとテンション上がりませんか。

花椒で心地よくしびしびととした舌を、キンキンに冷えたレモン水が流れる。するとなんだか、水の冷たさがアップしたような、むしろソーダ水の味がするような、とにかく不思議な感覚がして楽しい。
そうでなくても唐辛子でじんわりと汗をかいた身体はおのずと水を求め、麺を完食した後の何も残っていない状態から、水を2杯、3杯と飲めてしまうのだ。
 
求めていた感じとは少し違うが、この汁なし担々麺が水を美味くしていることは明らかだ。
汁なし担々麺
  • サポート力:★★★☆
  • 飲んだ水の量:3杯
  • 楽しさ:★★★★
  • 水の飲み頃:すべて食べ終えてから
この日はかなり体調が心配だったので、昼夜二連で健康的なものを飲みました。
 
 
 

まとめ

結論ありきで検証を進めた感があるが、ともかく今回の調査では、水を旨くするラーメンの条件として

・味が濃い

・油っぽすぎない

・そもそも水がピッチャーで出ていて冷たい

が大事であることがわかった。今後も引き続き、今回の条件に合致する「本格派博多とんこつ」や、条件に当てはまらないのにやたら水が美味かった記憶がある「昔ながらの鶏ガラ醤油」などについても調査を進めたい。

 

とはいえ、本件検証後の土曜日は内蔵が疲れて一日中ぐったりしていたので、しばらく日を空けたいと思います。